大学一年生・春








1年半の年月が経ち、私は大学生になった。




この1年半を思い返すと、大変なこともいくつかあった。




それでも、今、私の隣に居るのは…。









「ねぇ、持ち物これだけで良いんだっけ?」



『ん〜っと、うん!大丈夫!』



「よし!じゃあ行こ〜!」





愛佳が東京に戻ってきた。





同じ大学、そして、同じ家。





私達にとって、新しい生活が始まったのだ。







会えないことで、すれ違いが何度もあった。


それを乗り越えて、私達は今、一緒に居る。





まさかこうして、一緒に大学へ通う日がくるなんて、思ってもみなかった。


だけど、いつからか夢見ていた二人の目標が叶っていることが、本当に幸せに思う。










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大学が終わり、二人でスーパーに寄って、夜ご飯の食材を買って家へと帰る。


外食はなるべく控え、自炊を心がけよう と決めた私達。



なかなか慣れない生活ではあるが、愛佳と一緒なら 楽しい と思えた。








「『いただきま〜す!』」





一緒に作ったオムライスを一緒に口に運ぶ。






「ねぇ、初めてご飯食べに行った日のこと覚えてる?」



『もちろん。オムライスとハンバーグ食べたよね』



「あの時は あと何日で会えなくなるんだぁ って、勝手に心の中で思ってたけど、まさか今でも一緒に居て…しかも一緒に作ったオムライス食べてるんだよ!すごくない!?」



『言われてみたら…そうだね!すごい。あの日あの公園に行ってなかったら…愛佳に会ってなかったら…って思うと、本当に出会えてよかったって思う』






今思えば、色々な偶然が重なって、私たちはあの公園での出会いをきっかけに、仲良くなって 付き合うことができた。





決して、当たり前でも、普通のことでもない出会い。




その出会いが、今の私に 幸せ をくれるんだ。




『私ね、あの時はこんな未来想像もしてなかったけど、今ならどんなに先のことでも想像できる。愛佳と一緒に居て、笑い合ってる私を、想像できる。』



「…嬉しいこと言ってくれるね。でも、それは私も一緒!理佐と一緒に居る未来が想像できるよ」






きっとこれから先、すれ違うこともあるだろう。

ぶつかり合うこともあるだろう。





だけど、愛佳となら乗り越えていける、そう思える。





私達が出会えたことを 偶然 ではなく、運命 だと思いたい。




何年経っても、愛佳との出会いを、愛佳と一緒に振り返りたい。









「…ねぇ、大学で新しい人に出会って、理佐が他の人のところに行ったら、嫌だ…」






急に、不安そうに言葉を発する愛佳。


そんなことを言っている愛佳のことを、可愛いと愛おしく感じてしまうなんて、愛佳のことが好きみたい。





『それ、絶対にないから大丈夫。なかなか会えない時間を乗り越えて、今の私達だよ?そんな心配させないぐらい、ちゃんも私の気持ち伝えていくから安心して?』




とは言え、私だって全てを不安に思わないわけではない。




愛佳にその気がなくなって、誰かが想いを寄せるかもしれない。


だから私も、愛佳がよそ見しないように、もっと魅力的な人になりたい。





「うん、なんか不安になっちゃってごめん。でも理佐のこと信じてるし、私も理佐に不安な思いさせないようにちゃんと伝えていくからね。」






そう言って優しく笑う愛佳の笑顔に、少しだけ鼓動が早くなる。






今まで乗り越えてきた日々、時間を絶対に無駄にしたくない。




私はこれからも、愛佳の隣で笑っていたい。


私の隣で笑っていてほしい。






だから、絶対に愛佳のことを幸せにするんだ。







私はこれからも、愛佳とのかけがえのない時間を 大切にしていきたい。







目の前で笑う、愛佳の笑顔を見て 改めてそう思った。







--終--