一度家に帰り、準備をして、ギリギリまで眠った。
佑唯との待ち合わせの場所へと向かう。
佑唯との出会いは、私の行きつけのバーに佑唯が一人で来ていて話しかけられ、それからはお互い一人で来た時は、二人で飲むようになった。
しばらくして、佑唯は私に「好き」だと言ってきたけど、私の中で佑唯への気持ちなんて、なかった。
だけど、こんな事は初めてのことじゃない。
だから、他の人と同じように、返事はせずに一緒にホテルへと向かった。
朝起きると、佑唯は私に謝ってきた。
『なんで佑唯が謝るの?」
「私、ちゃんと理佐ちゃんに 好き って思われてないのに、理佐ちゃんと一緒に居られるのが嬉しくて、こんなことしちゃって…」
そう言われて、この子は私みたいな人が関わっちゃいけない子だと思った。
いつものように、軽い気持ちでホテルにきて、行為をして…。
謝るようなことをしたのは、私。
なのに、佑唯が謝ってきて、「私、ちゃんと理佐ちゃんに好きって思ってもらえるように、頑張る!」なんて言い出した。
『私、全然いい人間じゃないから、関わるのやめておきな。』
「嫌だ!いい人間じゃないってなに?私は理佐ちゃんと一緒に居るようになって、好きって思ったの!私が好きだから、関わるのやめるとか決めるのは私だもん!」
真っ直ぐすぎて、突き放せないと思った。
だけど、私と関わることで、傷つけてしまうのは目に見えている。
私のことを素直に話した。
『前付き合ってた子と別れてから、誰とも付き合うこともなく、遊んでる。今は、その元カノとも セ フ レ みたいな関係だし、その子の時も、その前の子も、好きだって思って付き合ってたのに気がついたら無感情みたいになってて…。
今は誰かを好きになれる気もしないし、今やってることが最低なことだって分かってるけど、辞められない。』
私の言葉を聞いて、佑唯は静かに涙を流した。
なんで、佑唯が泣くの?
私には理解できない感情を持っている気がして、この子と一緒に居たら、何か変わるかもしれない とも思った。
他の子とは違う"なにか"を感じた。
だけど、そんな形に見えないもの、信じられない。
だから、しばらく一緒に居るのもいいかもしれない。そう思った。
それから、佑唯とだけは、ご飯に行ったり、お出かけするだけの関係。
いや、それが当たり前なんだけどね…。
「理佐ちゃん、お腹空いたよ〜!」
『私も。早く食べに行こ』
私の一個下の佑唯は、もっと年下に感じるぐらい無邪気で明るくて、一緒に居ると楽しい。
「昨日はね、仕事終わった後に飲みに誘われちゃってね、その前に理佐ちゃんに連絡しよ〜って思ったら出ないしさ〜!ま、朝出てくれたからいいんだけどね!」
今朝電話を掛けてきて、私がどんな状況であったかは想像ついてるはず。
それでも、気にしていないフリをしているのか、いつも通りに接してくる。
いつもそう。
私に「好き」と伝えてきたあの日から、私が何をしているのか なんて聞いてこない。
だけど、気にしているのは分かる。
だって、たまに悲しそうな目をして笑うから。
それでも変わらず真っ直ぐに好きで居てくれる佑唯。
なんで私なんだろう…?
そんな、答えの見つからない疑問が、頭の中を何度も巡った。
--続--