友「あ、ねる先輩。これから帰るんですか?」
ね「あ〜そうそう!」
友「私も終わったので一緒に帰りませんか?」
ね「うん!いいよ!」
あれから、友梨奈ちゃんと話す機会が増えて、何度か一緒に帰ることもあった。
その度に、私は友梨奈ちゃんの魅力に惹かれていることを実感する。
友「そういえば、もうすぐ夏休みじゃないですか。ねる先輩、花火大会行く予定ありますか?」
ね「花火大会!?…その予定はないけど…」
友「良かったら、私と行きませんか?」
思いもよらないお誘いに、驚きと嬉しい気持ちが同時に溢れ出る。
ね「私と?花火大会に?行きたい!いいの?私と一緒で…」
友「いや、ねる先輩と行きたいから誘ったんですよ。じゃあ、一緒に行くのは決まりで。」
ね「…友梨奈ちゃんって、そういうことサラッと言うよね」
友「そういうことって?」
ね「なんかこう…ドキッとするようなこととか、自然と言ってるというか…」
友「それってつまり、ドキッとしてくれてるってことですか?」
なんだか、墓穴を掘ったみたいで ハッとする。
だけど、まただ。
この 友梨奈ちゃんの綺麗な瞳に見つめられると、ドキドキするのに 目を離せなくなる。
心臓の音が、どんどんうるさくなっていくのを感じて、急に言葉が出てこなくなった。
ね「あっ…その、なんていうか…」
友「ふふっ、ねる先輩って、可愛いですよね。ていうか、サラッとなんて、言えてないです。誘うのだってめっちゃ緊張したし、今だって 心臓バクバクですよ?ねる先輩と一緒に居ると、平然を装うのが大変なぐらい ドキドキしてますから。」
ね「だから、そういうのだよ…」
てか今、 ドキドキしてる って言った?
友梨奈ちゃんが……、なんで?
頭の中に疑問が広がって、真っ白になって、なぜだか足が止まった。
ね「…ん?なんか、どういう意味で 誘われてるの?私。」
友「私的には結構踏み込んだつもりなんですけど…これじゃ伝わらないですよね。私、ねる先輩のこと好きなんです。」
ね「えっ!?なんで?いつから!?ちょっとごめん、落ち着くから待って…」
友「そりゃびっくりしますよね、私なんかがねる先輩のこと好きだなんて。でも、結構前から好きですよ?だけど、話しかけるチャンスなんてなくて、あの時話しかけられて良かったです。」
本当に、友梨奈ちゃんはドキドキしてるのか?と疑うぐらい冷静に話している姿に、なんだか笑えてくる。
友「え?なんか変なこと言いました?」
ね「ううん、そんなに冷静に話してるように見えて、本当はドキドキしてるんだって思ったら、なんか可愛くて…」
友「あ、なんかバカにしてます?」
ね「してないしてない!私も好きだよ、友梨奈ちゃんのこと。」
友「えっ?うそ…絶対振られると思ってた」
目を丸くして驚く友梨奈ちゃん。
思えば、一緒に居る時間が増えたこの間に、色々な表情を見てきた。
私はきっと、そんな姿にも どんどん惹かれていっていた。
ね「ていうか、私だってまさか友梨奈ちゃんが私のこと好きだなんて思ってなかったよ」
友「ねる先輩、結構鈍感そうですもんね。」
ね「もう!そうやってすぐバカにする〜」
友「あはは、そのふくれっ面、可愛くて好きなんですよ。って、そんな話じゃなくて…」
クスクスと笑っていた友梨奈ちゃんが、真剣な目をする。
あぁ…ドキドキしちゃう…。
友「ねる先輩、好きです。良かったら、私と付き合って下さい。」
ね「はい、お願いします。」
目を合わせて、笑い合う。
そのクシャッとした笑顔に、またドキドキして、この先 私の心臓は持つのかと、心配になる。
帰り道、繋がれた手は 暖かくて 友梨奈ちゃんの温もりを感じているだけで、愛おしさが溢れ出した。
あの日私が、コップを落としていなかったら…?
そんなきっかけで、今こうして 友梨奈ちゃんの隣に居られる。
私はきっと、これからも 友梨奈ちゃんの色々な表情に惹かれ、内面に惹かれ、どんどん好きになっていくんだろうな…。
友「あっ、先輩。あの時キスしてもらえなかったから今日は…」
この、いたずらっ子みたいな笑顔にも……。
--終--