un olivier
『un olivier』


ル・カストレ村にはスーパーマーケットもなければ、八百屋もありません。
あるのは、土産物屋とレストランばかり。
パン屋が1軒あるけれど、パンだけでは暮らしていけません。

ここで暮らしている人たちは、車で近隣の大型スーパーでまとめて買物をします。Casino(カジノ)とかCarrefour(カルフール)とか。でも、私は車を運転できないので、テクテク歩いて、ひと山越えて、隣町まで買物に行っていました。

ひと山といったって丘なので、アップダウンはたいしたことありません。片道45分くらいの道のりを、行きは下り、帰りは荷物を持って登る。
でも、その道中の景色の美しさといったら、、、。一面に広がるブドウ畑に、オリーブの古木がどっしりと立ち、足元には野の花が生い茂る。
初夏から盛夏にかけては、日に日にブドウの実が大きく育っていく様子も見られます。聞こえるのは、降るようなセミの鳴き声だけ。

村になじんでくると、村の人が、車でスーパーへ買物に行くとき、「乗ってくー?」と、うちのドアをノックしてくれたり電話をくれたりするようになり、だいぶ買物も楽になったけれど、徒歩での買物も決して嫌いじゃなかったです。

いま住んでるマルセイユでは、徒歩圏内にCasino(カジノ)とMonoprix(モノプリ)があって、その他、八百屋、アジアの食料品店、パン屋、肉屋などもあって、何不自由ない。
それでも、フランス中がそうだけれど、日曜日は休みだし、コンビニなんてないので、7時くらいには店は閉まります。

大型スーパーでの買物風景は、アメリカなんかと変わりません。
大きなカートに山積みの食料、コーラ、ビール、トイレットペーパーetc。先日見た、子ども2人連れの男性のカートの中はほとんどが冷凍ピザだったし。
フランスらしいのは、チーズとシャルキュトリー(肉の総菜)、ワインのコーナーぐらい?

いったい何人家族なんだろうと思うくらいの量をカートに入れて買っていきます。支払いは、たいていカードかチェック(小切手)。
でも、こんなふうにふんだんに買える人は裕福な人。物価が上がって、ほんとうに、みんな大変。週に1回しか肉が食べられない、っていう4人家族の話を聞いたけど、大げさな話じゃないと思います。

先日、ダヴィが突然、「マックが食べたい」と言って買ってきたマクドナルドの値段を聞いて、ビックリしました。セットメニュー2つ、サラダ、ナゲット。これで28ユーロ。28ユーロっていったら、4000円! 食べたくもない(私)マックごときに、、腹ただしい。

フランスでの生活は楽しいことが多いけれど、これだけ物価が高くなると、経済的には皆たいへん。そりゃ、ヨーロッパは不況にもなります。