きのうは、フランスの病院を初体験しました。

フランスでは国民それぞれが、自分で選んだ開業医と契約しています。そして、症状によって病院を変えたりせず、いつも、同じドクターに見てもらい、必要があれば大病院を紹介される、というシステム。
血液や尿、レントゲン、心電図などの検査は、民間のラボラトリーに行って、その結果を自分の開業医のところに持っていき、診断してもらうのです。

私が行った医院は、エントランスの床には黒と白の石が交互に敷き詰められ、待合室の壁は黄色と白のツートンカラーと、なかなか素敵なアパルトマンの1室。

今回は、健康診断書を書いてもらうだけなので、とっても簡単な診断でした。
今までの病歴、最近の体調、アレルギーなどについて聞かれ、あとは血圧、聴診、触診、耳の中の検査くらいだったけれど、そのたびに「トレ・ビアーン」とほめられ、なんだか自分がものすごく健康体のような気がして、気分よく帰ってきました。なんてポジティブなオーラを発したドクターなんでしょう!

けれど、国際単位と日本で使用している単位が違ったりして、「血圧は11。すばらしい!」と言われてもピンとこない。どうやら国際単位はパスカル(Pa)で、日本のは水銀柱ミリメートル(mmHg)ということがわかりました。しかも、上も下もない。日本では上と下の血圧の関係で「いい」だの「悪い」だの言われてきたのに。

フランスでは、国民保険のカード(ICチップ入り)を皆がもっていて、医者でも薬局でもこのカードが使用できます。支払った医療費や薬代は、あとで国から銀行口座に戻されるというシステムらしい。メガネやコンタクトレンズなどにも適用されるとのこと。日本より適応範囲が広いようです。

アメリカなどは、並みの収入では加入できないほど保険が高いため、入っていない人も多いと聞きます。ニューヨークに住んでいる日本人の知人も加入していません。病気になったら、貧乏人は死ね、ということ? つくづく、アメリカという国は弱者にやさしくない国だと思うけれど、”博愛”主義のフランスは、いつまでもその精神を大切にしてほしいと願います。

joie de vivre
『joie de vivre』