【 JHPPS ニュースレター '20.3月号 】

 とうとうWHOから、武漢肺炎ウィルス(決して「COVID19」と呼称すべき物ではありません)のパンデミックが宣言されました。
 ワクチンが開発されていない為、結局は自己防衛するしかありません。
 ご存知のように自己防衛手段としては、ウガイ、手洗い、消毒、マスク…と言ったところになります。

 

 しかし、風邪もインフルエンザも同じですが、ウィルスは口や鼻から入ると喉で増殖します。コロナも同じです。そして喉に入って20分程で、喉を降りて肺へ侵入します。ですから、実は家に帰ってからのウガイでは間に合いません。ペットボトルなどを持ち歩いて、15分程度を目処に、一口で良いので水を飲みましょう。できたら濃いめのカテキンの入ったお茶がベストです。カテキンには殺菌効果があります。そして飲むと菌は胃に落ちて、胃酸で殺菌されます。
 また、ウィルスのサイズをサッカーボールだとすると、マスクの網目のサイズはサッカーゴールです。ですからマスクは基本的に、人からの感染を防ぐものではなく、自分の咳などで人に感染するのを抑制するものです。マスクはマナーだと思ってください。
 家に帰ったら、石鹸で手洗いします。ウガイも必要ですが、忘れてならないのは、鼻も目も洗うべきだと言う事です。
 そして、一番の防衛法は体温の維持です。

 体温が37.5度を超えると、リンパ球が活性化します(これが風邪を引いたりした時に、身体が体温を上げて免疫力を高める仕組みです)。つまり免疫力が向上します。お風呂は高温多湿で、風邪菌もインフルエンザもコロナも生存できません。積極的にお風呂に入って、1日に一回は体温を高めましょう。
 自分の体温+4℃程度が最も気持ちの良い温度です。これで20分ほど腰湯して体温が上昇すると、HSP(ヒートショックプロテイン)が増産されます。HSPは傷ついた組織や細胞を修復します。
 血管が開くので、副交感神経にスイッチが入りやすくなります。副交感神経が亢進すると免疫力が上がります。
 別の捉え方をすると、低体温(平常36.2℃以下の体温)だと免疫力は30%近く低下します。低体温は、末端への血流が悪い事で起きます。所謂「冷え」です。血流の悪化と冷えは、ダイレクトに免疫力低下に作用します。

 そして何と言っても、普段の運動と栄養、休養のバランスが免疫力の維持には欠かせません。
【 運  動 】
 筋肉の量と免疫力は関係します。筋肉が減ると免疫機能が低下し、肺炎などにかかる人が多いことも報告されています。ここで言う運動は適度な、ハードではない筋トレです。ジョギングなどの有酸素運動は、血流促進や体温上昇、循環器系、心肺機能の持久力UPはできますが、筋肉の増強、増加は期待できません。筋肉に対する負荷が必要です。そして筋肉の維持には、週に二回以上の負荷が必要とされます。
 そして、運動をしてタンパク質を摂取します。
【 食  事 】
 食事では、タンパク質をいつもより多めに摂ります。タンパク質は、酵素の原材料です。酵素はリンパ球の原材料です。言うならば免疫力の原材料です。
 食事で摂りきれない場合は、プロテインなどで補ってください。肉が苦手なら、昨今流行の、卵の黄身+キムチ+納豆や、卵の黄身+トロロ+マグロ、或いは卵の黄身+キムチ+納豆+トロロ+オクラも良いと思います。本来、一日に必要なタンバク質量は、体重60kgなら×体重1kgあたりに必要なタンパク質量1.2~1.4g=72~84g。80kgなら×1.2~1.4g=96~112g。これが基準です。
 因みに100gの肉のタンパク質量は、鶏ささみ=23g、牛もも肉=21.2g程度。卵ならMサイズ2個で16.5g。納豆は3パックで16.5g。足りていますか?
【 休  養 】
 アメリカで行われた研究では、「睡眠時間が7時間未満の人は、8時間以上眠る人に比べて3倍以上も風邪をひきやすい」そうです。また、寝つきが悪いとか夜中に目が覚めるなどで、睡眠時間全体の2〜8%眠れなかっただけで、ぐっすり眠れた人に比べて約5倍も風邪をひきやすいというデータもあります。細菌やウィルスに対する免疫力は、睡眠中に維持・強化されます。そのため睡眠時間が減ったり、細切れにしか眠れなかったりする状態が続くと、免疫力が落ちて、風邪やインフルエンザにかかりやすく、かつ治りにくくなってしまいます。
 成長ホルモンは睡眠のリズムと関係が深いホルモンで、大人でも傷んだ細胞の修復や疲労回復に働きます。十分な睡眠時間が取れないと、夜の睡眠の前半に見られる血中濃度のピークが小さくなってしまい、日中の活動で傷ついた細胞のメンテナンスうまく行かず、ウィルスが体に侵入しやすくなったり、風邪やインフルエンザが治りにくくなったりします。
 例えば首もとは、温かさを感じるポイントが集中している部位のひとつで、首もとを温めると全身の血流がよくなるため、手足まですばやく温まります。その結果、放熱が促され、身体の深部温度が下がるので、眠りに入りやすくなります。また頸動脈や頸椎動脈の血流が良くなれば、脳疲労の回復やストレスの解消にも役立ちます。

 いずれにせよ、頸、手首、足首を大切にしてください。血管と神経の集まっている3首が冷えると、免疫力が低下します。
 そして睡眠中の血流の安定は、血圧を安定させますし、副交感神経を亢進してリラックスし、さらに免疫力を上げます。そして寝ている間に、酸素や摂取したタンパク質などの栄養素を組織末端にまで供給し、傷ついた組織の修復に働きます。

 結論としてパンデミックに負けない免疫力向上のための自己防衛手段は、①生活習慣を省みた上で、②良好な末梢血液循環と、③自律神経のバランスを如何に維持するか、に行き着きます。

2020年3月12日
NPO法人 日本健康事業促進協会