【百日咳】成人での感染例が急増

 感染症を取り巻く環境が変化する中、今まで封じ込められていた“過去の感染症”が急速によみがえりつつある。“過去の感染症”の一つ、百日咳は、ワクチン接種後のブースター効果の減少で、今年も猛威をふるっている。特に成人の割合は、2000年は全報告のうち2.2%だったのが09年には40.5%。今年は5月23日時点で54.9%と、過去10年で最高となっている(図1)。
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 佐賀大医学部では、今年4月から5月にかけて、保健管理センターに、長引く咳を訴える学生が相次いで受診した。同センター医師の尾崎岩太氏が百日咳を疑ってPCR検査を行ったところ、19人が百日咳と診断された(5月31日現在)。主にクラブ活動での感染が疑われたため、練習や試合を自粛することとし、感染者には抗菌薬を投与するとともに出席停止などの対応を取った。

 「百日咳は、以前から学内で散発的に発生していたが、ゴールデンウイーク前後の大会などで学生同士が一緒に過ごす時間が長かったため、そこで集団感染が起きたのではないか」と尾崎氏は話す。

成人患者が過半数に
 成人を中心に、百日咳報告は07年から急増してきた。07年には複数の大学で集団感染が起こり、翌08年は百日咳報告数(感染症発生動向調査小児科定点からの報告)が過去10年で最多の6567人に上った。
成人も含めた全国の百日咳の発生状況を把握するため、国立感染症研究所が08年に立ち上げた百日咳データベースでも、成人が3分の2近くを占めた(図2)。
百日咳は、もはや小児の疾患ではなくなっている。
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