私は人を育てる事が、
あまり好きではない。
面倒くさいからである。
だが・・・立場上、
人を育てないわけにはいかなかった。
だから、仕方なく考えたのだと思う。
どうやったら、
人が育つのかということを・・・
何が面倒くさいといって、
育成にはとてつもない手間と時間がかかる。
さらに・・・
人は一人一人違うので、
その人に合わせた育成方法を考えなくてはならない。
そこまでしても、
育たない人は育たないし・・・
育つ人は放っておいても育つ・・・のだが、
そんなことを言ってしまったら身もふたもない。
育成には、
見返りを求めない忍耐が必要なのである。
「よし!俺は必ずこの部下を育てるぞ」
・・・と腹を括ったなら・・・
まず、
最初にやらなくてはならないのは調査だ。
育てる対象を徹底的に知り、理解すること。
これなくして育成は出来ない。
どういう性格で、
どのような短所と長所があって・・・
これまでに
どういう経験をしてきたのか。
自信を持っていることは何か。
自信をもっていないことは何か。
どういうことが好きで、
どういうことが嫌いか。
要するに・・・
その人物の
「現在の座標」を知ることが大事なのだ。
それが、解らないことには、
どんなに素晴らしい地図があっても・・・
目的地に到達することは出来ないからだ。
育てることの最初の面倒くささ。
それは
相手との壁を取り払うことである。
熱心に話を聞いてあげたり、
面白いことを言って笑わせたり、
時には酒を飲んで愚痴をこぼしてあげたり・・・と、
相手の壁を取り払うには、
相当な手間と時間がかかる。
だが・・・
この作業をやらないことには、
相手のことが解らない。
解らない人間を
育てることは出来ないのだ。
そして・・・
ある程度相手を理解できたならば、
今度は目標を定めなくてはならない。
どういうビジネスマン、
どういう社会人、
どういう人生を目標にするか。
これは、
もちろん本人の適正及び希望に基づいていなくてはならない。
適正は・・・
本人には解らないので
上司が見抜いてやる必要がある。
そして・・・
目指す目標についても、
一緒に考えてやらなくてはならない。
どうなりたいのか、
どうありたいのかを決めるためには・・・
情報とアドバイスが欠かせないからだ。
自分の時間を使って相手を知り、相手の目標を一緒に考える。
これが
育成の第一歩であるのだから
本当に面倒くさいことこの上ない。
ここまでやって初めて
育成プログラムの作成に着手できるのである。
今現在の状態。
向かうべき姿。
この二つが明確になったならば・・・
今度は、
それをつなげなくてはならない。
何をどうやったら、
今の状態が向かうべき姿に結びつくのか。
そのステップこそが、育成プログラムである。
何をやらせるか。
何をやらせないか。
どういう失敗はさせてもいいか。
どういう失敗はさせてはならないか。
経験と仮説に基づいて、
育成プログラムは作られる。
だが・・・
もちろん、
そのプログラム通りに人は育たない。
なぜ、うまくいかなかったのか。
その原因を考え、
プログラムを書き換えるのも上司の仕事だ。
育成の過程においては、
精神的なサポートもしなくてはならない。
彼らは
自分のやっていることが、
本当に成長に繋がるのか・・・
常に不安があるし、
もっと早く、
目に見える成長がしたいと望んでいる。
でも、一歩一歩前進するしかない。
君は順調に来ているのだと、
常に言い続けてあげなくてはならない。
その作業を4、5年続けてやっと人は育ち始める。
もちろん・・・
そこまでやっても育たない人もいる。
ひとりの上司が育てられるのは、
せいぜい2、3人というところか。
だが・・・
この2、3人が大事なのだ。
自分が心血を注いで育てたと言える部下がいるかどうか。
これは40、50代になった時に
ビジネスマンとしての決定的な差になる。
育成を怠った上司は
絶対に組織の長にはなれないのである。
・・・子供の育成とも一緒だね(^_^;)