千葉ロッテの強さを語るとき、
ボビー・バレンタイン監督の采配
「ボビー・マジック」が話題になります。
日替わり打順や、一見奇抜な投手、選手の起用が
次々と当たることから、そう呼ばれるようになりました。
しかし、これはシーズン前、
チーム全体に「優勝」するため「勝つ」ために、
その場その場で「何をすべきか」を選手に刷り込んできた
バレンタイン監督の取り組みが
「ボビー・マジック」に繋がっているものと強く感じます。
選手達は
「目標達成のために何をすべきか」を
各場面で共有化できているため、
誰が出ていっても、同じ意識でプレーに臨めているのだと思います。
そしてバレンタイン監督は
「その場面で一番高いパフォーマンスができる選手をグラウンドに送りだす」
という仕事に徹することができたのではないでしょうか。
意識が共有化されていれば、
全く想定外のミスは少なかったはずですし、
出た結果が悪くても何を意図した結果なのかは
チーム全員が共有化できているため、
大きな士気の低下にはならなかったはずです。
つまり、試合の中での
「TPO:T(time時間)P(Place場所)O(occasion場合)」に合わせた
選手の準備と、監督の采配が、的確に行われていたのではないかと思います。
簡単に例えるならば、
無死ランナー1、2塁の場面、
バッターは右打ちに徹し、ランナーを進めることがセオリーです。
なぜならば、一死取られても2・3塁をつくることで、
様々な点の取り方の可能性が広がるからです。
仮に、強引に右に打ち、セカンドゴロによるダブルプレーに終わったとしても
「右打ちでランナーを進塁させようとした」という意識が、
味方にも敵にも、見ている全ての人に伝わるような「攻撃」になります。
同様の場面で、自分のクリーンヒットばかりを狙い、
サードゴロ、ショートゴロでのダブルプレーに終わってしまったら、
チャンスを潰すだけでなく、一人よがりのプレーによって、
チーム全体の共通意識は崩壊し、士気の低下を招いてしまいます。
今の千葉ロッテは、当然前者なのですが、
それをもっとレベルの高い、様々な場面で徹底できていたことが
「日本一」や「代表選手の輩出」の要因ではないかと考えます。
これは、企業活動においても同様ではないかと思います。
企業として何を「目的」として存在しているのか。
「目標」をどこに設定しているのか。
その目標を達成するために、何をしなければならないのか。
という意識が統一されていれば、
社員一人一人がバラバラな行動をとることも少なく、
活動が効率的に低コストで遂行されるはずです。
先日、ある物流企業経営者とお話をする機会がありました。
そこで配車マンが変ったことにより、
まるで別の会社になったという事例をお聞きすることができました。
その企業では、数年前まで、
前職でも配車をやっていたというベテラン配車マンが
30人近くのドライバーの配車を行っていました。
その配車マンは、自分の経験則を頼りにし、
ほとんど独断で判断し、配車を行っていたようですが、
大きな問題もなく、社長も安心して配車を任せていたようです。
ところが、実情はうまくいっていませんでした。
その配車担当者は、ドライバーに対し、
「仕事内容につべこべ言わず、言われた通りに走ればよい」という態度で
配車を行っていました。
徐々に不満を感じるドライバーが増え、
ついには、
配車マンとドライバーで大きな摩擦を生んでしまったのです。
結果として、
ドライバー各人は配車マンから与えられた仕事のみをこなし、
会社や仲間ドライバーのことを考えず、
自分だけのために走るようになってしまいました。
そのため、
業務も非効率化し、コストも上昇してしまったそうです。
今年に入り、
その配車担当者が早期退職となり、社長は若手配車マンを採用しました。
その配車マンは、
社長が業界の常識に捉われず、
経営と現場の架け橋として機能してほしいという理由から、
全くの別業界からの転職者を採用したそうです。
その若手配車マンは当然、配車については素人ですから、
現場ドライバーとのコミュニケーションを密に行い
情報を集めると共に、
社長の思い(業務の効率化とコストダウンによる利益の最大化)や、
会社としての目標を丁寧に伝えていったそうです。
更に配車の仕方は、自分なりに積載率・積載重量の算出フォーマットを作成し、
それに基づいて、
ドライバーの適材適所を見つけながら、一生懸命配車したそうです。
素人の若手配車マンの努力している姿を見て、
自分の事だけを考えていることを改めたのか、
社長の思いや、
会社としての目標を意識してくれたのか、
ドライバーに「利益を出す」ことへの意識が、急激に高まったそうです。
現在では、ドライバーが全体の業務を把握することに努め、
自分がすべきことを考えるようになったそうです。
更には、
業務効率化のために配車マンに対し提案を行うこともあるそうです。
特に経営者の方々は、
従業員に対し「上の意図を全くわかっていない。」
「何も考えずに仕事をしている。」とお感じになることも多いのではないでしょうか。
それは、
従業員が自分の所属している企業の目的、目標を意識できておらず、
「自分が何をすべきか?」考えられていないのかもしれません。
プラウドも似たり寄ったり・・・です。
繰り返し、繰り返し、同じチームの仲間として
「経営理念」や「経営ビジョン」の実現に向けて
伝えていきたいと思います。
