全てが得意分野?

その求職者Aさん(36歳)は、

関東地方に本社を構える某中堅物流企業で約15年働いてきました。


今回、物流業界での更なるキャリアアップを目論んでの転職を希望とのことでした。


経歴書を拝見すると、

物流業界では豊富な経験を積んできたことが一目でわかりました。

若くしてドライバー管理、配車担当という物流現場管理を歴任し、

後に営業リーダーとして営業部の中心として活躍した経験もありました。

更に直近では経営企画室の一員として新センターの立ち上げPJにも参画していました。


Aさんに質問してみました。

「色々なご経験をお持ちですね。中でも得意な分野は何ですか?」

するとAさんは、


「物流の分野においては何でもできるつもりです。

 特にこれといった得意分野はありません。

 何でもできます!」

「な、なるほど。

 では、次の会社ではどのような分野での活躍を望まれますか?」

この質問に対して、Aさんはこう言いました。

「どの分野でも活躍できる自信はあります。

 自分を活かしてくれる場所を提供してくれれば、期待以上の結果を出すつもりです。」

どうでしょう・・・


Aさんの「力」や「強み」が見えてくるでしょうか?


見えてこないはずです。


経歴上は様々な成功体験を持っていても、

具体的な「強さ」をアピールできていないからでしょう。


これでは、Aさんが多くのノウハウと高いスキルをお持ちでも、

どのような企業のどのようなポストをご紹介して良いのか分りません。

これは人材紹介事業者が思うだけでなく、

企業の採用面接に臨んだ時にも同じことが言えるはずです。


「結局この人は何が得意なんだ?」


「どんなポストが最適なんだ?」


と考えられてしまいます。

『「なんでもできます。」というのは強そうなだけで全く強くない。』というのが、

私が再認識したことです。

Aさんが仮に「中でもセンター運営管理には自信があります!」とか、

「色々な経験をしてきたので、今後は各現場での経験を活かして、

経営的視点に立った仕事がしたいです!」など、

明確な強さやビジョンのアピールができていれば、

自分自身を引き立たせることができたのではないかと思ったのです。

●物流企業は「強み」をアピールができているか?

前述のAさんとの面談をした時

「これは物流企業にも多い傾向ではないか?」と思いました。

「御社の強みはなんですか?」という問いに対して、

自社の明確な「強み」をアピールできている物流企業は少ないものです。

ましてやサービスメニューになっている企業は少数と言えるでしょう。

「なんでもできます。」


「なんでも運べます。」

これでは、荷物や業務を任せるメリットが、何処にあるのか見えてきません。


これは、

これから大手企業に追いつこう、

追い越そうとしている中小企業によく見られる傾向という気がします。



逆に、何でもできそうな大手企業の方が、「強み」サービスとしてアピールしています。


ヤマト運輸の「日時指定サービス」「ゴルフ宅急便」「スキー宅急便」などは

その最たるものではないでしょうか。


「ゴルフ道具を送るなら…」「スキー用品を送るなら…」と、

顧客が思ったときに思いつくのがヤマト運輸の各サービスです。

そこに付加価値が発生するのです。

ところで、

他の路線企業でもゴルフバックやスキー用品を運ぶことができないのでしょうか?


当然運べます。


私も実際に物流企業のドライバーとして働いていたことがあるので分りますが、

品質やサービスも大差ない物流企業もあるでしょう。

それでも顧客はヤマト運輸を使うのです。

それが「強み」を作るだけではなく、

それを強くアピールできている、できていないの差ではないでしょうか・・・

大手企業でなくても、例えば「精密機器の配送品質はどこにも負けません。」とか

「生鮮品の物流に関しては、どこよりも新鮮なうちに届けます。」という、

ある特定の「強み」をアピールできている企業に対しては、

「それだったらウチの荷物も預けてみようかな。」と、思ってくれる荷主も多いはずです。

ITの進化が続く情報化社会の中で、競合他社より一歩先を進むためには、

他社に負けない「強み」をつくり、

そして、それを強くアピールできる力が必要であると考えます。

これは、我々ビジネスマンにも同じことが言えるのではないでしょうか?

自分なりの「強み」を身につけ、

そして、それを強く社内、社外へアピールすることができなければ、

「やりたい仕事をするフィールド」にすら、立てなくなってきています。

プラウドはドライバー「専門」の派遣ということで、定まっていますが、

私も一生懸命の努力の中から、自分の中で誇れる「強み」を見いだし、

それを強くアピールすることによって、

これからのビジネスシーンで活躍できる人間になっていきたいと考えています。