日本ジュニア数学オリンピック(JJMO)2025年予選の問題

 

今回は、日本ジュニア数学オリンピック2025年予選第2問を取り上げ、解説します。

正のというのは、0より大きいということです。

一見すると難しいそうな問題ですが、中学受験をする小学生なら解いたことがある問題と同じような問題です。
一直線上に並ぶ3つの数の和が全部同じということから、魔方陣がすぐに思い浮かぶでしょう。

その魔方陣を解く際の手法(久留米大学附設中学校2018年算数第1問(3)の解答・解説を参照)と同様の手法を用います。

説明の便宜上、図のように記号を振ります。

  

Dがらみの3つの数の和が等しいことに着目すると、

  A+G=B+F

となり、Eがらみの3つの数の和が等しいことに着目すると、

  C+G=B+H

となり、この2つの式の和を考えると、

  A+C+G×2=F+H+B×2

となります。

両辺に、B+Gを加えると、

  A+C+B+G×3=F+H+G+B×3

  10+G×3=10+B×3

  G=B

となり、与えられた条件を満たすためには、BとGに割り当てた数が等しくなければならないことがわかりますね。

ここで、A、B(G)、Cに割り当てた数をそれぞれ〇、□、△(ただし、〇+□+△=10)とします。

ADGに着目すると、Dに割り当てた数は△となり、CEGに着目すると、Eに割り当てた数は〇となり、BDGに着目すると、Fに割り当てた数は〇となり、BEHに着目すると、Hに割り当てた数は△となり、与えられた条件を常に満たしますね。

結局、〇、□、△の決め方が何通りあるか考えればよいことになります。

10個の☆を並べ、各☆の間9個のうちから2個を選んで/を入れ、左から1個目の/より左側の☆の個数を〇に割り当てた数、2つの/の間の☆の個数を□に割り当てた数、左から2個目の/より右側の☆の個数を△に割り当てた数と考える(例えば、☆/☆☆☆☆☆/☆☆☆☆であれば、〇、□、△に割り当てた数はそれぞれ1、5、4となります)ことができ、

  (9×8)/(2×1)

 =36通り

考えられます。

最初のところの式変形で若干技巧的なことをしていますが、具体的な数で2、3個実験したところ、Bに割り当てられた数とGに割り当てられた数が等しくなったので、おそらく一般的に成り立つだろうと考えて、実際にそれを導き出そうとしています。

最後のところの処理は、下の問題の解説と同様に考えることもできます。

 

 

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