これらのコインから無作為にひとつを選び、選んだコインはそのままにし、そのコインのあるマス目と辺を共有して隣接するマス目のコインを裏返す操作を考える。例えば、①を選べば、②、④を裏返し、②を選べば、①、③、⑤を裏返す。最初はすべてのコインが表向きに置かれていたとする。正の整数nに対し、n回目のの操作終了時点ですべてのコインが裏向きである確率をpnとするとき、以下の問に答えよ。
(1)p2を求めよ。
(2)コイン①、…、⑥をグループA、Bに分けることによって、n回目の操作終了時点ですべてのコインが裏向きであるための必要十分条件を次の形に表すことができる。
n回目の操作終了時点までにAに属する各コインはそれぞれ奇数回選ばれ、Bに属する各コインはそれぞれ偶数回選ばれる。
どのようにグループ分けすればよいか答えよ。
(3)p4を求めよ。
(注)
確率→小学生の場合、とりあえず、すべての場合に対してある場合が起こる割合と考えればよいでしょう。
正の→0より大きい
(2)の問題文が小学生にはわかりにくいですが、要するに、コイン①、…、⑥をそれぞれ選んだ回数は奇数回か偶数回か答えなさいということです。(3)を解くためのヒントに過ぎないので、小学生の場合無視してもよいでしょう。(3)を解こうとすれば、このことを考えることになりますからね。
メインの(3)の問題は、確率の問題を場合の数の問題にすれば、中学入試にそのまま出せそうな問題です。
実際、同じような考え方で解ける問題が中学入試で出されていますからね(ラ・サール中学校1994年算数2日目第3問、慶應義塾中等部2016年算数第7問など)。
本質的には何も変わりません。
(1)は簡単すぎますね。
文系の人が大問を丸々落としたらかわいそうという出題者の配慮かもしれませんね。
(2)は、(3)を解こうとしたら当然考えることで、名大の理系に合格するようなレベルの受験生ならこのヒントがなくても解けるでしょうね。
(3)は、上で紹介した慶應中等部の解説のように、式を作って消去算に持ち込むこともできますが、慶應中等部の問題ほど設定が複雑ではないので、わざわざ式を作るまでもないということで、式を作らずに解いています。
詳しくは、下記ページで。
名古屋大学2025年理系数学第4問・文系数学第3問(解答・解説)
因みに、今年の名古屋大学の問題は、文系は3問中2問、理系は4問中2問が小学生が解けるものでした(いずれの問題も高1で配当される数Aの問題)。
文系の残り1問は数Ⅱの微積で、理系の残り2問は数Ⅲの微積で、出題範囲がかなり偏っていますね。