今回は、日本ジュニア数学オリンピック2008年第7問を取り上げ、解説します。
「正の」というのは0より大きいということです。
最難関中学校の受験生であれば、最大公約数と最小公倍数を素因数分解の利用により求める手法を知っているはずです(連除法(すだれ算)の意味がわかっていれば当然わかるはずです)。
その手法を使って解きます。
まず、720を素因数分解します。
720を小さい素数でちまちまと割っていくのではなく、「九九の逆」を利用して素早く行うのがポイントです。
720
=8×9×10
=2×2×2×2×3×3×5
a、b、cの最小公倍数が720のとき、a、b、cをそれぞれ素因数分解したときの素因数2の個数は0個以上4個以下の5通り考えられますが、このうち、a、b、cの素因数2の個数がすべて0個以上3個以下の場合は条件を満たしません。
そこで、その場合を取り除きます(あえて余分なものを含めてカウントし、後でそれを取り除くのがポイントです)。
a、b、cをそれぞれ素因数分解したときの素因数2の個数については(5×5×5-4×4×4)=61通り考えられます。
同様に、a、b、cをそれぞれ素因数分解したときの素因数3の個数については(3×3×3-2×2×2)=19通り考えられ、a、b、cをそれぞれ素因数分解したときの素因数5の個数については(2×2×2-1×1×1)=7通り考えられます。
a、b、cをそれぞれ素因数分解したときの素因数は2、3、5だけだから、結局、条件を満たすa、b、cの組は、全部で
61×19×7
=427×19
=8540-427(427を20個持ってきて、1個取り除きました。暗算で計算できますね。)
=8113通り
あります。