今回は、日本数学オリンピック2001年予選第1問を取り上げ、解説します。
正のというのは0より大きいということです。
中学入試でも昔からよく出される基本問題です。
n>114と書いてありますが、これを考慮し忘れて間違える人がいるかなという問題なので、これを書いてしまうのはちょとねぇという感じがします。
さて、JMOの問題を片づけてしまいましょう。
2001-114=1887を割り切る整数(1887の約数)で、114より大きいものを考え、そのうちの最小のものを求めるだけのことですね。
1887を素因数分解します。
3)1887
17) 629
37
1887の各位の和が3の倍数だから、3で割り切れることはすぐにわかりますね。
629が2、3、5で割り切れないことは倍数判定法からすぐにわかります。
7で割り切れないことも630が7で割り切れることから明らかで、11で割り切れないことは倍数判定法からすぐにわかります。
ここまでは10秒程度ですぐにわかることです。
ここからは、13、17、・・・で割り切れるかどうか確認していけば、1887=3×17×37とすぐに素因数分解できます。
一応の建前としてはこうなりますが、実際には、1887が999+888ということがすぐにわかるので、111(=37×3)で割り切れることもすぐにわかります(実際、小学生の教え子の中にも111で割り切れるとすぐにわかった子が何人もいます)。
そのことに気付けば、素因数3と37と9+8=11がすぐに思い浮かびます。
約数は全部で2×2×2=8個だけですね。
そこで、約数をペアで書き出していきます。
1 3 17 37
1887 629 111 51
したがって、答えは629となります。
1887(特に、3で割った後の629)の素因数分解に時間がかかってしまった人からすれば、結局629が答えになってしまって、虚しかったかもしれませんね。