日本ジュニア数学オリンピック(JJMO)2020年予選の問題

 

今回は、日本ジュニア数学オリンピック2020年予選第2問を取り上げ、解説します。

正のというのは0より大きいということです。
中学入試や大学入試でも同じような問題が出されています(白陵中学校2007年算数1次第7問大阪大学1999年前期文系数学第3問など)。
白陵中学校の解説では、文字式を一切使わずに解説しているので、そちらも参考にしましょう。
さて、JJMOの問題を解いてみましょう。
a以上b以下の整数をすべて足すと2020だから、
 (a+b)×(b-a+1)×1/2=2020 (等差数列の和の公式((最初の数+最後の数)×個数×1/2))を利用しました。)
 (a+b)×(b-a+1)=4040
となります。
 (a+b)-(b-a+1)
 =(a×2+b)-(b+1) (引かれる数と引く数にaを足しました。差は変わりませんね(差一定)。)
 =a×2-1
は1以上だから、a+b>b-a+1となります(上で紹介した阪大の問題の解説では和に着目していますが、今回は差に着目しました。aが最も小さくなるという条件を差が最も小さくなるという条件に帰着させるためです)。
また、a+bとb-a+1は、その差(a×2-1)が奇数だから、一方が奇数で、他方が偶数になります(偶奇性の利用)。
さらに、4040=4×10×101=2×2×2×5×101となります(「九九の逆」を利用して素早く素因数分解しました)。
したがって、2数(a+bとb-a+1)の積(4040の約数のペア)として考えられるものは、8×505、40×101、5×808、1×4040となります。
aが最小となるのは、a+bとb-a+1の差(a×2-1)が最小となるときだから、a+b=101、b-a+1=40の場合になります。
a+b=101、b-a=39となるから、和差算により、b=(101+39)/2=70、a=101-70=31となります。

 

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