日本ジュニア数学オリンピック(JJMO)2020年予選の問題

 

今回は、日本ジュニア数学オリンピック2020年予選第5問を取り上げ、解説します。
∠というのは、角のことです。
凸四角形というのは、小学生の場合、へこみのない四角形と考えればよいでしょう。
中点というのは、真ん中の点ということです。
線分PQというのは、直線PQにおける2点PとQの間の部分ということです(他も同様)。
小学生が知らないような記号や用語がちりばめられていますが、問題自体は大したことはありません。

最難関中学校の受験生であれば解けてほしい問題です。
さて、JJMOの問題を解いていきましょう。
72+48=120度で、180-120=60度だから、正三角形が絡んでいると予想できますね。
そこで、72度と48度の角度を近づけることを考えます(辺ABと辺CDを延長すると、2直線ABとCDが交わったところに60度が出てきますが、中点という条件を活かしにくいですね)。
また、真ん中の点が複数あるので、中点連結定理を利用することを考えます。
小学生は中点連結定理を知りませんが、相似比が1:2のピラミッド相似を利用することを考えればいいだけの話です。
辺BCの真ん中の点をRとし、2点PとR、QとRをそれぞれ直線で結びます。

  
三角形CPRと三角形CABのピラミッド相似(2辺の辺の比とその間の角がそれぞれ等しいから相似ですね)に着目すると、角PRC=角ABC=72度、PR=AB×1/2=7/2となります。
同様に、三角形BRQと三角形BCDのピラミッド相似(2辺の辺の比とその間の角がそれぞれ等しいから相似ですね)に着目すると、角BRQ=角BCD=48度、RQ=CD×1/2=7/2となります。
三角形PQRは、角QRPが180-(72+48)=60度で、RP=RQだから、正三角形となります。
したがって、PQ=7/2となります。

 

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