今回は、日本数学オリンピック2002年予選第8問を取り上げ、解説します。
算数オリンピックなどでよく使われる手法(対称性がらみの補助線)を用いて解きます。
もっとも、この問題の場合、角の2等分線というキーワードが出ているので、対称性を意識しなくても引けるでしょう。
角の2等分線定理を証明する際に引く補助線と同じですからね。
さて、JMOの問題を解いていきましょう。
与えられた角度の条件より、角BADの大きさを①とすると、角CADの大きさ、角BCAの大きさはそれぞれ①、③となります。
角の2等分線があるので、角を2等分する線が線対称の軸になることをイメージし、三角形ABDを直線ADに関して折り返します(もとの図をかく際も、直線ADが線対称の軸になることをイメージすればいいでしょう)。

図のように、点Bを直線ADに関して折り返した点をEとします。
三角形ABDと三角形AEDは当然合同になり、辺ABの長さと辺AEの長さは等しくなり、図の×をつけた角度は等しくなります。
また、AB+CD=ACだから、三角形CEDはCD=CEの二等辺三角形となり、図の〇をつけた角度は等しくなります。
ここで、三角形ADCにおいて外角定理を用いると、×(角BDAの大きさ)は①+③=④となります。
また、三角形ADEにおいて外角定理を用いると、〇(角CEDの大きさ)は①+④=⑤となります。
三角形CEDの内角の和に着目すると、③+⑤×2=⑬が180度に相当するから、角BACの大きさ(①×2=②)は180×②/⑬=360/13度となります。