日本ジュニア数学オリンピック(JJMO)2010年予選の問題

 

今回は、日本ジュニア数学オリンピック2010年予選第3問を取り上げ、解説します。

中学入試っぽい問題です。

最難関中学校の受験生であれば、解けないといけない問題でしょう。
内分するというのは分けるということです。

線分というのは、小学生の場合、直線と考えればいいでしょう。
標準的には、下の右側の図のように、延長した線をたくさん引いてちょうちょ相似を複数作り出して解くのでしょうが、今回は、下の左側の図のように、与えられた図形の内側に平行線を引いてちょうちょ相似とピラミッド相似を作り出し、SV上に辺の比を集めて変化量を用いて解きます。

  
点Rを通り辺ADと平行な線を引き、TQ、SVと交わった点をそれぞれE、Fとし、また、点Qを通り辺ADと平行な線を引き、SVと交わった点をGとします。
三角形QREと三角形QDTのピラミッド相似(相似比はQR:QD=1:2)に着目すると、ER=2×1/2=1となります。
また、三角形UPQと三角形UREのちょうちょ相似(相似比はPQ:RE=3:1)に着目すると、GU:FU=3:1=③:①となります(高さの比と一致するからです)。
さらに、SF:FG:GV=DR:RQ:QC=1:1:1=④:④:④となります。
ここで、三角形UGQと三角形USTのちょうちょ相似(相似比はUG:US=③:(①+④)=3:5)に着目すると、GQ=1×3/5=3/5となります。
SからVまで2めもり(⑧)移動する間に、SDがGQとなり、長さが1-3/5=2/5減るので、さらに1もめり(④)移動する間に、長さが2/5×1/2=1/5減り、VC=3/5-1/5=2/5となります。
したがって、BV=3-2/5=13/5となります。

京都大学でも同じような問題(京都大学2013年理系数学第1問・文系数学第2問)が出されているのでぜひ解いてみましょう。

京大の問題の解説では、相似を媒介として辺の比を移すという方針で解いていますが、上の解説でGU:FUを求める際に使ったように、高さの比と一致するという考え方を使うこともできます。