日本ジュニア数学オリンピック(JJMO)2003年の問題

 

今回は、日本ジュニア数学オリンピック2003年第4問を取り上げ、解説します。

JJMOの予選がなかったころの問題で、前半の問題は実質的には予選の問題のようなものです。

この問題も簡単な問題で、10秒程度で解ける小学生もいるでしょう。

正四面体のどの2頂点も辺でつながっているから、蟻がある頂点に移動してきた後に必ず別の頂点に移動することができますね。

蟻がどの頂点からスタートするかで4通りあり、そのそれぞれに対して、次にどの頂点に移動するかで3通りあり、そのそれぞれに対して、次にどの頂点に移動するかで2通りあり、そのそれぞれに対して、次にどの頂点に移動するかで1通りあり(自動的に確定)、いずれの場合も、最後に、その頂点からスタートした頂点に戻ってくることができます。

したがって、求める場合の数は4×3×2×1=24通りあります。

なお、下のような樹形図(のようなもの)をかいて2×3×4=24通りとすることもでき、低学年の子でも解けます。

  

その際、条件の対等性を利用すれば、同じ色で囲った部分は同じなので、省略することができます。

低学年の子の場合、条件の対等性をいきなり利用するのは若干厳しいと思いますが、手を動かして作業していくうちに、あとは同じだなと気づきます。

低学年の勉強においては、こういう作業と気づきが特に大切であって、いきなり積の法則だとか順列だとかの公式を意味も分からず当てはめて解くような学習をしても何の意味もないと言っても過言ではないでしょう。