日本ジュニア数学オリンピック(JJMO)2009年予選の問題

 

今回は、日本ジュニア数学オリンピック2009年予選第8問を取り上げ、解説します。

簡単な問題ではありませんが、倍数判定法を丸暗記ではなく、きっちり理解できていれば、小学生でも解ける問題です。

2×5=10より、十の位以上の部分は2でも5でも割り切れるから、2の倍数判定法も5の倍数判定法も下1桁が当該倍数となっているかどうかをチェックすることになりますね。

それと同様に、4×25=100より、百の位以上の部分は4でも25でも割り切れるから、4の倍数判定法も25の倍数判定法も下2桁が当該倍数となっているかどうかをチェックすることになりますし、8×125=1000より、千の位以上の部分は8でも125でも割り切れるから、8の倍数判定法も125の倍数判定法も下3桁が当該倍数となっているかどうかをチェックすることになります。

さて、JJMOの問題を解いてみましょう。

1以上100以下の奇数50個には、5と25が含まれるので、1以上100以下の奇数の積は5×25=125の倍数となります。

最初に述べたことから、下3桁の数が125の倍数となりますが、125の倍数で奇数の3桁の数は125、375、625、875だから、答えはこのいずれかとなります。

ところで、125、375、625、875を8で割ったときの余りはそれぞれ5、7、1、3ですね。

そこで、1以上100以下の奇数の積を8で割ったときの余りを考えます。

1以上100以下の奇数50個をそれぞれ8で割ったときの余りは、4個ごとに同じ繰り返しとなります(8で割ったときの余りは連続する8個の整数ごとに同じ繰り返しとなりますが、奇数だけを考えているので4個ごとに同じ繰り返しとなりますね)。

 1、3、5、7 →積を8で割ったときの余りは1となります。

 9、11、13、15 →積を8で割ったときの余りは、それぞれの数を8で割ったときの余りを考え、その積を8で割ったときの余りと一致する(面積図を思い浮かべればわかることです(下の(参考)を参照))から、1となります(以下同様)。

 ・・・・・・・・・・(4個を1セットと考えたとき、12セットありますが、どうでもいいことです。積を8で割ったときの余りが1で結論に影響を与えませんからね。)

 97、99 →積を8で割ったときの余りは、1×3=3となります。

結局、1以上100以下の奇数50個の積を8で割ったときの余りは3となります。

したがって、答えは875となります。

(参考)

8で割ると△余る数(8×〇+△)と8で割ると☆余る数(8×□+☆)の積を8で割ったときの余りを考えます。

この積は下の図の長方形全体の面積となりますが、ピンク色の部分の面積は8の倍数となるから、紫色の部分の面積(△×☆)を8で割った余りを考えればいいことになります。

このことを繰り返し用いれば、個数が増えても同じことですね。

  

 

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