今回は、日本ジュニア数学オリンピック2003年第3問を取り上げ、解説します。
JJMOの予選がなかったころの問題で、前半の問題は実質的には予選の問題のようなものです。
小学生の場合、√7は〇と考えればいいでしょう((解法1)の場合は、そもそも√7を使う必要すらありません)。
(解法1)
わからない辺の比をわかる辺の比のところに移動させて解きます。
最難関中学校の受験生であれば、当然この手法をマスターしているはずですね。

点Qを通り、辺ABに平行な直線を引き、直線AR、ADと交わった点をそれぞれ点T、Uとします。
まず、三角形AQUと三角形ASDのピラミッド相似と三角形ATQと三角形ARSのピラミッド相似(相似比はともにAQ:AS)に着目すると、DS/SR=UQ/QT・・・①となります。
次に、三角形ABPと三角形TQPのちょうちょ相似(相似比はBP:QP=3:2)に着目すると、BA/QT=3/2・・・②となります。
UQ=BA、①、②より、DS/SR=3/2となります。
(解法2)
(解法1)の補助線に気付かなくても、すでにあるちょうちょ相似に着目して解くこともできます。
計算が若干面倒になり、文字式(のようなもの)の扱いにある程度習熟していないと厳しいですが・・・
上の図の直線UTがないもので考えます。
辺AB(辺CD)の長さを[15]とします。
まず、三角形ABPと三角形RCPのちょうちょ相似(相似比はBP:CP=3:(2+〇))に着目すると、CR=[15]×(2+〇)/3=[5]×(2+〇)=[10]+[5]×〇となります。
次に、三角形ABQと三角形SCQのちょうちょ相似(相似比はBQ:CQ=5:〇)に着目すると、CS=[15]×〇/5=[3]×〇となります。
DS:SR
=([15]+[3]×〇):([10]+[5]×〇-[3]×〇)
=([15]+[3]×〇):([10]+[2]×〇)
=3:2
となるから、DS/SR=3/2となります。