日本数学オリンピック(JMO)2011年予選の問題

 

今回は、日本数学オリンピック2011年予選第1問を取り上げて解説します。

中高生であれば、不等式を機械的に解くことができますが、小学生には若干厳しいので、不等式の意味を考えて解きます。

まず、与えられた不等式を大雑把に考えると、bーaもcーbもdーcも0より大きいから、a<b<c<dとなります。
次に、与えらえた不等式を仔細に検討します。
0<b-aについては検討済みですね。
bーa<cーbですが、(小さい順にa、b、cと並んでいて、)bとaの違いよりcとbの違いのほうが大きいということですね。
cーb<dーcですが、bーa<cーbと同様に、(小さい順にb、c、dと並んでいて、)cとbの違いよりdとcの違いのほうが大きいということですね。
あとは、aが1以上、dが9以下ということを利用して4つの整数を小さい順に書き出すだけです。
下の書き出しですが、次のような感じで、短時間でできます。
aが1のとき、bが2以上となりますが、bが2のとき、bとaの違いが1だから、cは、bより2以上大きくなり、2+2=4以上となります。そして、cが4のとき、cとbの違いが2だから、dは、cより3以上大きくなり、4+3=7以上となります。
 1247~9
   59
 2358~9
 3469
したがって、条件を満たす整数の組は全部で7個あります。

このJMOの問題は、次のような和一定の書き出しの場合の数の問題とやっていることは何ら変わりがないと思います。

 神戸女学院中学部1996年算数2日目第1問(問題)

 神戸女学院中学部1996年算数2日目第1問(解答・解説)

 

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