日本ジュニア数学オリンピック(JJMO)2015年予選の問題
今回は、日本ジュニア数学オリンピック2015年予選第4問を取り上げ、解説します。
数の2乗というのは、平方数(同じ数を2回かけあわせた数)ということです。
4つの平方数を組み合わせて204、211、235を作り出していっても解けると思います(例えば、1番大きい144と組み合わせる数字を考えてみると、121と100は無理で、81と組み合わせると、合計が225で、204と211にはできないから、235とすることを考えると、235-225=10となり、1と9にすればよいという感じです。204と211と235がそれほど離れた数字ではないことから、バランス的に一番大きな数の144とある程度小さな数を組み合わせるはずだと考えて、144と1の組合せから順に調べていくこともできます。キッズBEEにチャレンジする子ならこれで十分だと思います)が、少しだけ頭を使います。
一般に、偶数の平方数を4で割ったときの余りは0で、奇数の平方数を4で割ったときの余りは1です。
このことは下の面積図を見ればすぐにわかるでしょう(□、〇が整数のとき、水色の正方形とピンク色の正方形の面積は明らかに4の倍数ですね。紫色の長方形を2個合わせると面積は2×〇×2となり、4の倍数となりますね)。
1から12の整数は奇数と偶数が6個ずつあるから、2乗した数を4で割ったときの余りが1の数(Pと表記します)と0の数(Qと表記します)が6個ずつあります。
204、211、235を4で割ったときの余りはそれぞれ0、3、3となります。
BもCもPから3個、Qから1個配られる必要があるから、AはPから4個配られることがあり得ず、Qから4個配れれることになります。
1から12の整数を2乗した数を書き出すと、次のようになります。
P 1 9 25 49 81 121
Q 4 16 36 64 100 144
まず、Aについて考えます。
Qの6個の数の合計は4+16+36+64+100+144=20+100+100+144=364となります。
Aに配られた4個の数をそれぞれ2乗した数の合計が204だから、QのうちAに配られなかった2個の数を2乗した数の合計は364-204=160となり、144と16であることがわかり、Aに配られた数は2、6、8、10となります。
大きな数144がBになる場合、残り3数の2乗の和は211-144=67となりますが、1、9、25、49のうち3つを組み合わせて作り出すことはできませんね(81と121を使うのは論外ですね)。
結局、144はCになり、残り3数の2乗の和は235-144=91となり、これは81+9+1となります。
したがって、Cに配られた数は12、9、3、1となり、Bに配られた数は残った4個の数4、5、7、11となります。
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