今回は日本数学オリンピック(JMO)2020年予選第4問を取り上げ、解説します。
算数オリンピックやジュニア算数オリンピックにチャレンジする子がファイナル対策で解くのにちょうどいい問題です。
計算の工夫で面倒な計算は回避できますが、中学入試に出されると時間面で若干厳しいかなという気がします。
n2はn×n、n3はn×n×nのことです。
まず、桁数を大雑把に把握します。
10×10=100(3桁)、10×10×10=1000(4桁)の桁数の和は7で、nが1桁の数、3桁の数のときは論外であることがすぐにわかりますね。
nを増やしていったときに、n2よりn3のほうが先に桁数が増え、2つの数の桁数の和が8となり、その後、n2の桁数が増えて、2つの数の桁数の和が8を超えてしまうことがすぐにわかりますね。
20×20=400(3桁)、20×20×20=8000(4桁)
22×22=4×121=484(3桁)、22×22×22=484×20+484×2>10000(5桁以上)
21×21=441(3桁)、21×21×21=441×20+441×2<10000(5桁未満)
2つの数の桁数の和が8となるnは22以上の整数であることがわかりますね。
30×30=900(3桁)、30×30×30=27000(5桁)
31×31=961(3桁)、31×31×31(6桁にならないことは感覚的にわかりますし、32×32×32=1024×32からもわかりますね)
32×32=1024(4桁)、32×32×32(5桁)
結局、2つの数の桁数の和が8となるnは22以上31以下の整数であることがわかります。
あとは、調べつくすだけです。
n=22のとき
22×22=484で、4が2個あるから、条件を満たしません。
n=23のとき
23×23の一の位が9となるから、条件を満たしません。
n=24のとき
24×24=484+22+23+23+24=576
24×24×24=576×20+576×4=11520+2304=13824
この場合はすべて条件を満たしますね。
n=25のとき
2つの数の一の位がともに5となるので条件を満たしません。
n=26のとき
2つの数の一の位がともに6となるので条件を満たしません。
n=27のとき
27×27の一の位が9となるので、条件を満たしません。
n=28のとき
28×28=4×196=800-16=784
28×28×28=784×30-784×2=23520-1568=21952で、2が2個あるから、条件を満たしません。
n=29のとき
29×29×29の一の位が9となるので、条件を満たしません。
n=30のとき
30×30の一の位が0となるので、条件を満たしません。
n=31のとき
2つの数の一の位がともに1となるので、条件を満たしません。
したがって、答えは24だけとなります。
なお、上の解説では、平方数を利用した計算の工夫、分配法則を利用した計算の工夫を行っていますが、詳細については割愛します。
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