日本数学オリンピック(JMO)2011年予選の問題

 

今回は日本数学オリンピック2011年予選第3問を取り上げます。

「正の」というのは0より大きいということです。
それなりのレベルの中学校の受験生であれば素数の意味を知っているので、短時間で解けるでしょう。
灘中に合格した教え子が小学生の頃に、この問題をアレンジした次の灘中対策演習問題を出したことが何度かありますが、皆解けていました。
解法はJMOの問題の解法と同じで、最後の素数の確認に若干手間がかかるだけの話です(後半の問題はエラトステネスの篩で100ぐらいまでの素数の確認をしたかったから出した問題です)。
 相異なる1以上8以下の整数a、b、c、d、e、f、g、hを用いてa×b×c×d×e+f×g×hと表せる素数があれば求めなさい。また、相異なる1以上9以下の整数a、b、c、d、e、f、g、h、iを用いてa×b×c×d×e×f+g×h×iと表せる素数があれば求めなさい。

整数の個数を増やさなくても、次の(算数オリンピック対策問題)のようにもう少し難しくすることも可能です。

答えは179、727、1013となるので、ぜひ解いてみましょう。

(算数オリンピック対策問題)

 1、2、3、4、5、6、7の7つの整数があります。このうちA君が4個か5個とり、残りをB君がとり、2人とも自分がとった数をそれぞれかけあわせました。その合計を計算したところ、その数は1とその数自身以外では割り切れませんでした。合計としてありうるものをすべて求めなさい。

さて、問題を解いてみましょう。
a×b×c×dをグループ(あ)、e×f×gをグループ(い)とします。
偶数(2、4、6)は同じグループにしないといけません。
さもないと、(あ)も(い)も偶数となり、a×b×c×d+e×f×gは2より大きい偶数となり、素数となりえないからです。
また、3の倍数(3、6)も同じグループにしないといけません。
さもないと、(あ)も(い)も3の倍数となり、a×b×c×d+e×f×gは3より大きい3の倍数となり、素数となりえないからです。
結局、2、4、6、3が同じグループとなるから、この4数がグループ(あ)となり、残りの3数(1、5、7)がグループ(い)となります。
したがって、a×b×c×d+e×f×gとしてありうる数は、2×4×6×3+1×5×7=144+35=179だけとなりますが、13×13=169<179<196=14×14で、179は13以下のいずれの素数でも割り切れないから、179は素数となり、これが答えとなります。

 

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