日本数学オリンピック2019年予選の問題

 

今回は、日本数学オリンピック(JMO)2019年予選第3問を取り上げます。

算数オリンピックやジュニア算数オリンピックにチャレンジする子にはぜひ解いてもらいたい問題です。

灘中の2日目であれば出題されても何の不思議もない問題です。

例えば、真ん中の数が4の場合は何通りありますかなどという小問をつければ、それがヒントになりますしね。

それにしても、解説を文章でかくとかなり面倒ですね。

実際に解く時間は5~6分でしたが、図をかきながら、文章を打つのに4倍ぐらいの時間がかかりました。

  

黄色のマス(以下、Aとします)は隣のマスが4個あり、黄緑色のマス(以下、Bとします)は隣のマスが3個あり、水色のマス(以下、Cとします)は隣のマスが2個ありますね。
条件の1番厳しいAにどの数が入るかで場合分けして解きます。
数の対称性より、例えば、2と8は同様に扱うことができます。
 (あ)1、9の場合
 (い)2、8の場合
 (う)3、7の場合
 (え)4、6の場合
 (お)5の場合
(あ)の場合
1の場合を考えます。
1との差が3以下の数が2、3、4の3個しかないので、この場合はありえません。
9の場合も同じですね。
(い)の場合
2の場合を考えます。
2との差が3以下の数は1、3、4、5となり、この4数をBに入れることになりますが、1の隣のマスに入れる数がないから、この場合はありえません。
8の場合も同じですね。
(う)の場合
3の場合を考えます。
3との差が3以下の数は1、2、4、5、6となり、このうちの4数をBに入れ、残りの1つの数をCに入れることになります。
Cに9を入れることになりますが、3との差が3以下で、9との差が3以下の数は6の1つしかないので、3と9のマスの両方に隣り合うマス(図の緑色のマス)に入れる数がなく、この場合はありえません。
7の場合も同じですね。
(え)の場合
4の場合を考えます。
4との差が3以下の数は1、2、3、5、6、7となり、このうちの4数をBに入れることになります。
8と9はCに入れることになり、8と9が隣り合うことはありえません。
9との差が3の数で8以外のものは7、6の2個しかないので、9の隣のマスには7と6を入れることになります。
条件の対等性によりどちらに入れても状況は同じですね。
8との差が3の数で9以外のものは7、6、5の3個しかないので、8を9と最も離れた位置に置くことはできません。
そこで、図のP、Qの場合をチェックすることになりますが、8の隣のマスが5と確定します。
この時点でQがありえないことが確定し(7との差が3以下の数が残っていないから)、Pにおいて、1が4の隣のマスであることが確定し、残りの2と3の位置も確定します。
この場合は、9をCのどこに入れるかで4通りあり、そのそれぞれに対して、6と7をどのマスに入れるかで2通りあり、そのそれぞれに対して、残りのマスの数の入れ方は1通りあるから、全部で4×2×1=8通りあります。
6の場合も同様に8通りあります。
(お)の場合
5との差が3以下の数は2、3、4、6、7、8となり、このうちの4数をBに入れることになります。
1と9はCに入れることになり、隣の隣のマスの数同士の差は最大でも6だから、1と9は最も離れた位置に入れることになります。
また、同様の理由で2、8をCに入れることもできず、2は1の隣のマスに入れることになります(8は9の隣のマスに入れることになります)。
条件の対等性によりどちらに入れても状況は同じですね。
オレンジ色のマスには3か4を入れることになるので、図のR、Sの場合をチェックすることになります。
8をピンク色のマスに入れると、2とも8とも隣り合うCのところに5を入れることになり、この場合はありえませんね。
結局、8の位置は図のように確定します。
Rの場合は、2の隣のマスが4と確定し、残りの6と7も確定します。
また、Sの場合は、2の隣のマスが3と確定し、残りの6と7も確定します。
この場合は、1をCのどこ入れるかで4通りあり、そのそれぞれに対して、9の位置は1通りあり、そのそれぞれに対して、2をどのマスに入れるかで2通りあり、そのそれぞれに対して、オレンジ色のマスに3と4のどちらの数を入れるかで2通りあり、そのそれぞれに対して、残りのマスの数の入れ方は1通りあるから、全部で4×1×2×2×1=16通りあります。
(あ)~(お)より、数の入れ方は全部で8×2+16=32通りあります。

 

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