133+110+84+27=nを満たす整数nが存在することを前提として、nの値を求めなさい。

 (nはnを5個かけあわせた数(nの5乗)です(他も同様))。

 

オイラー予想の有名な反例を求める問題です。
小学生でも求められます。

まず、範囲をしぼります。

>133だから、n>133となります(下限チェック)。

<133×4で、(3/2)=243/32>128/32=4だから、

 n<133×(3/2)=(399/2)<200

となり、n<200となります(上限チェック)。

nは3桁の整数で、百の位の数が1となりますね。
次に、一の位チェックを行います(一の位チェックの練習として京都大学1996年後期理系数学第2問を解いてみるとよいでしょう)。
 (一の位が3の数を順にかけていったときの一の位)3、9、7、1の繰り返し
 (一の位が0の数を順にかけていったときの一の位)0の繰り返し
 (一の位が4の数を順にかけていったときの一の位)4、6の繰り返し
 (一の位が7の数を順にかけていったときの一の位)7、9、3、1の繰り返し

だから、
の一の位の数は3+0+4+7=14の一の位の数の4となり、nは偶数となります。 偶数の一の位チェックを行います。 すでにチェックした0と4以外の数で行います。

 (一の位が2の数を順にかけていったときの一の位)2、4、8、6の繰り返し
 (一の位が6の数を順にかけていったときの一の位)6の繰り返し
 (一の位が8の数を順にかけていったときの一の位)8、4、2、6の繰り返し

5個かけあわせたときに一の位の数が4となるのは、一の位の数が4の場合だけだから、nの一の位の数は4と確定します。

最後に、9で割ったときの余りをチェックします(マイナスの数を知っていれば、この余りが一瞬で求められますが・・・)。

84と27はともに3の倍数だから、それぞれ2個かけあわせた時点で9の倍数となるので、当然、84も27も9の倍数となります(もちろん、27については、27が9の倍数というところからこの結論を出してもかまいません)。

110は9で割ると2余る数だから、110を9で割ったときの余りは、2=32を9で割ったときの余りと等しく(このことについては、東京大学2007年前期文科数学第3問の解答・解説同様、面積図をイメージすればすぐにわかるでしょう)、5となります。

133は9で割ると7余る数だから、133を9で割ったときの余りは、7=49×49×7→4×4×7=16×7→7×7=49を9で割ったときの余りと等しく、4となります。

結局、nを9で割ったときの余りは、4+5+0+0=9を9で割ったときの余りと等しく、0となります。

したがって、nの各位の数の和は9の倍数となり、十の位の数は4に確定し、nは144となります。

なお、剰余と累乗が絡んだ問題は、近年の灘中では頻出です。

高校で習う合同式の問題をそのまま出しているという感じの安直な問題ですが・・・

(出題例)灘中学校2022年算数1日目第4問(表記を一部略しています)

 2を10個かけてできる数を17で割った余りは[① ]です。また、2を2022個かけてできる数を17で割った余りは[② ]です。

(解法1)

マイナスの数の計算をマスターしていれば、次のようにすれば楽勝です。

2の4乗=16を17で割ったときの余りは-1だから、2の10乗を17で割ったときの余りは(ー1)×(-1)×4=4となります。

2の2016(8の倍数=4×偶数)乗を17で割ったときの余りは1で、2の6乗を17で割ったときの余りは(-1)×4=-4→13だから、2の2022乗を17で割ったときの余りは1×13=13となります。

(解法2)

マイナスの数を知らない前提で解くと、次のようになります。

2の4乗=16を17で割り切れるには1不足しています。

これを2回かけあわせた数(2の8乗=16×16)は、16×16+17+17=16×16+16+17+1=17×17+1(この部分は面積図をイメージ)となり、17で割ると1余る数となります。

2の10乗を17で割ったときの余りは1×4=4となります。

2の2016(8の倍数)乗を17で割ったときの余りは1で、2の6乗(=64)を17で割ったときの余りは13だから、2の2022乗を17で割ったときの余りは1×13=13となります。