日本数学オリンピック2024年予選の問題

 

JMOの予選の問題は、小学生でも解ける問題が1、2問あります。

今年の第2問もそうで、それなりのレベルの中学校の受験生であれば普通に解けるでしょうし、「3けたの数から34をひいた数も2024をたした数も各位の数が2、3、5、7のいずれかとなりました。このような3けたの数を2つ求めなさい」というような問題文にすれば、キッズBEEにチャレンジするような子でも十分解ける可能性があるでしょう。

さて、解いてみましょう。

小学生っぽい解法を紹介します。

n+2024(4桁の整数で最高位は2か3となりますね。下3桁をSTUとします)とn-34(PQR(Pがない場合もありえます)とします)の差は2024+34=2058です。
P、Q、R、S、T、Uの各位使われる数は2、3、5、7だけですね。
  PQR
+2058
  STU
一の位から順に決めていきます。
素数に8を足して(あとで10を引いて)もまた素数になるものを探すと、(R,U)=(5,3)、(7,5)の2組だけとわかります。
(あ)(R,U)=(5,3)のとき
  PQ5
+2058
  ST3
(☆)
次に、十の位について考えます。
一の位から1繰り上がっていますね。
1+5=6違いの素数はないので、百の位に繰り上がりが生じることになり、Qは4以上の素数となります。
Q=5のとき、T=1となり、条件を満たさず、Q=7のとき、T=3となり、条件を満たします。
最後に、百の位について考えます。
十の位から1繰り上がっていますね。
1+0=1違いの素数は、2と3だけですね。また、Pがないこともない(Sが1となってしまうから)ですし、千の位に繰り上がりが生じることもない(7+1が10未満だから)ですね。
結局、P=2、S=3となります。
このとき、nは275+34=309となり、すべての条件を満たすので、答えの1つとなります。
(★)
(い)(R,U)=(7,5)のとき
  PQ7
+2058
  ST5
(☆)から(★)までの繰り返しになり、このとき、nは277+34=311となり、すべての条件を満たすので、答えの1つとなります。
したがって、答えは309と311となります。