来年度の共通テストの数学で得点したければ | プロ家庭教師のKiri/奈良/オンライン/大学受験/医学部受験/難関大学受験

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今年の共通テストの数学は、実力が反映されやすい試験になってきていると感じました。

 

センター試験時代は、とにかく解く速さや、計算力が問われ、

出題される範囲も限定的で、知識はそれほど問われていませんでした。

 

今年で共通テスト4年目になりますが、

 

共通テスト1年目の数学は、センター試験とあまり変わらず、

共通テスト2年目は、時間はない、長文を読ませる、難しい、の大荒れ・迷走試験となり、

共通テスト3年目は、難易度が落ち着いたものの、長文を読ませる割に解き応えのない、まだまだセンター時代の方が良かったと感じる試験でした。

 

共通テスト2年目くらいから計算量はかなり減っており、読ませて考えさせる問題を増やしています。

 

計算ミス1つで壊滅する試験というのは確かによろしくないので、その点は良いと思っていましたが、

 

ただ、ひたすらに長文を読ませるだけ読ませて、たいした結論が出ないとか、

通常の高校生ではありえない、太郎と花子の会話に違和感があったり、

考えさせたい割には量が多すぎたりと、

これまでは、共通テストの不満点の方が多かったですね。

 

 

ですが、今年の共通テストでようやく、ちょうど良いところにおさまってきた感じはあります。

全体の量が減り、計算量は少なく、長文は相変わらずですが 読みやすさや 解き応えのある問題は増えてきています。

 

数ⅡBでは、これまでは出題されなかった「複素数と方程式」の範囲も出題され、範囲を限定することもなくなりました。

共通テストに出ないからといって、三角関数以降の問題ばかりやってきた人は痛い目を見たかもしれません。

小手先の力ではなく、実力をはかる試験に近づいたといえます。

 

まだまだ良い問題は作れると思うので、この方向性で調整していってほしいところです。

 

 

 

と、ようやく共通テストが落ち着いてきたところではありますが、

来年は新指導要領の共通テストが開始される年で、また大荒れの予感の年になります。

 

 

共通テストの数学の範囲が変わります。

 

来年度の共通テストの試作問題が、大学入試センターから出されています。

 

 

<ⅠA>

 

・ 整数の性質がなくなった

 

ⅠAは、試作問題では、選択問題がなくなっています。

 

これまでは、第3~5問のうちの、3題から2題を選択でした。

第3問が「場合の数・確率」、第4問が「整数の性質」、第5問が「図形の性質」でしたね。

 

ところが試作問題では、

第3問が「図形の性質」

第4問が「場合の数・確率」

となり、第5問がありません。

 

新指導要領では、「整数の性質」は「数学と人間の活動」という名称に変わりましたが、

この単元は共通テストでは出題されないことになりました。

 

 

どれを選択するか迷うということはなくなりましたが、

確率が苦手な人、図形が苦手な人が、共通テストでそれらを避けることは出来なくなりましたね。

 

2次試験で数学を使わない文系の人は、整数の単元は一切勉強しなくてもよいことになりますね。

 

 

・ 「仮説検定」と「期待値」が追加

 

データの分析に「仮説検定」、確率に「期待値」が出題されます。

試作問題にも出題されています。

 

 

 

 

<ⅡBC>

 

・ 数学Cが追加され、選択の仕方が多様に

 

ⅡBは「ⅡBC」に変わり、数学Cの範囲が出題されます。

 

第1~3問は必答問題ですが、これはすべて数学Ⅱの範囲です。

 

第4~7問は選択問題。

 

試作問題では

第4問は、数学Bの「数列」

第5問は、数学Bの「統計」

第6問は、数学Cの「ベクトル」

第7問は、数学Cの「式と曲線・複素数平面」

 

これら4題から3題を選択します。

 

したがって、数学Cは最低1題は選択しなければなりません。

文系の人は、当初はベクトルを学習しなくて良くなったと思われていましたが、結局やらなければなりませんね。

 

学校で数C全部を学習した場合は、式と曲線・複素数平面を選んでもいいですが、

数Cはベクトルだけを教えて、入試対策に入るという学校が多そうな気がします。

 

 

理系の子達は、「統計」や「データの分析」のような、他の単元と明らかにテイストの異なる単元を嫌う傾向にあります。

とある公立の進学校では、次は統計を学習すると先生が伝えると、

やらなくてもいいとか、さっさと終わらせてほしいと、生徒からブーイングがあったそうです。

 

教える先生側も、あまり教えたがらない傾向にあります。

 

というわけで理系の子は、数Cの2次試験対策までガッツリやることもあり、逆に、統計を取らないという選択もあるのかもしれません。

それが吉と出るか凶と出るかは分かりませんけど。

 

 

 

・ 試験時間が70分に

 

さらに時間も60分から70分に変更されます。

 

ⅡBCは範囲的にも試験当日も、受験生の負担が増えたと言ってよさそうですね。

 

 

 

 

以上のように、共通テストの数学は大幅に変更されます。

 

出来れば、今年のような出題傾向のまま、範囲だけ変わった、という試験を目指してほしいものです。

 

 

 

今回の共通テストは、2次試験対策をしっかり行ってきた受験生はしっかり得点できたと思います。

範囲を限定せず、発展的な内容までしっかりこなしていた人は、点数が安定したのではないでしょうか。

 

一昔前のセンター対策なら、ここは出ないからやらなくていいとか、範囲を限定して勉強するとか、

ひたすらテキパキ解く事だけを鍛え続けるとか、そういう事が通用したかもしれませんが、

そういうやり方だけではそろそろ厳しくなってきたと思います。

 

 

というわけで、数学で得点をしたければ、テキパキ解く練習はもちろんですが、

範囲を限定せず、発展的な内容に早いうちから取り組み、

小手先ではなく、地に足をつけた勉強をコツコツと行うことをお勧めします。

 

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