タイトルの通り、医学部の学歴は重要なのかを今回見ていきたいと思います。
色々な医学部の学生や、お医者さんの意見を見てみると、
全く重要ではないと考える人や、絶対に重要と考える人や、場合によって変わる、など様々な意見がありました。
以下の動画が1番分かりやすくまとまっていました。
何をもって「重要」と考えるかは人それぞれですが、
まずは皆さんが最初に気になるのは、収入の面だと思われます。
医学部以外の場合は、出身大学の偏差値と平均年収はかなり相関があります。
上位から順に
①東大 ②一橋 ③東工大 ④慶應 ⑤京大
⑥早稲田 ⑦神大 ⑧東北 ⑨阪大・・・
上位には、偏差値の高い大学が名を連ねています。
もちろん、有名大学に通ったからといって必ず高年収が保証されているわけではありませんが、
他の学部に関しては、学歴によって選択肢が広がり、収入面で影響が出やすいのは確かでしょう。
では、医学部の場合はどうでしょうか。
「医学部の出身大学の偏差値と、医者になった時の収入に相関はあるか?」
これはどの立場の方からも
「相関はない」「収入はほとんど変わらない」
という回答が非常に多かったです。
しかも中には、高学歴の方が年収が低い、と考える人までいます。
以下の記事には、勤務医の出身大学別平均年収ランキングが載っています。
上位から順に
①東京医科歯科 ②獨協 ③産業医科 ④昭和 ⑤高知
⑥日本医科 ⑦香川 ⑧東京医科 ⑨山梨 ⑩岐阜・・・
となっており、偏差値の高い大学も含まれていますが、
偏差値の順に並んでいるという感じは全くありません。
むしろ、旧帝大と呼ばれる大学は、比較的下位に位置しており、
東大は70位、京大は49位、阪大は28位、北大は61位、
東北は34位、名大は38位、九大は74位となっています。
設立グループごとに分けると、旧帝大のグループは最下位となっています。
https://president.jp/articles/photo/26736?pn=3
まぁサンプル数が少ないので、必ずしもこれが正しいとは言えませんが、
少なくとも、医者の収入と出身大学の偏差値は大きくは関係しないと言えそうです。
医学部の学歴が重要と主張される人が、収入面については一切触れていない事からも、ほぼ間違いなさそうです。
ではなぜそのような事が起こっているのか。
まず病院に勤めた場合は、その病院によって年収が変わるようです。
出身大学は関係はなく、病院によって決まっているのです。
つまりこの時点で、出身大学の偏差値は一切関係がないという事になります。
病院には、大学病院と市中病院があります。
大学病院とは、その名の通り、医学部をもつ大学に付属する病院で、
規模が大きく、在籍する医師や医療関係者も多く、先端医療や最新の医療設備があるとされています。
市中病院とは、医療法人や個人が経営する大学病院以外の病院を指しますが、
規模は病院によって様々で、小規模の病院もあれば、大学病院より規模の大きい病院もあります。
ただ、多くは小規模だそうです。
医者の年収は病院ごとによって違うのですが、
概ね、病院の規模や、地域によって違いが出るようです。
一般の人がこれだけを聞くと、
規模が大きく、都会の方が給料がいいんでしょ? と思うかもしれませんが、
医者の世界は逆の傾向があるようです。
大学病院などの規模が大きい病院の方が年収は低く、中小の地方病院や開業医の方が年収は高い。
都心の方が年収は低く、地方の方が年収は高い。
ということです。
これは都会に医師が多く、地方に医師が少ないためだそうす。
地方では初期研修医の給料が1000万円を超える病院も存在するそうで、都会では考えられないそうです。
というわけで、収入面に関してだけ注目すれば、学歴は重要ではない、と言えそうです。
それでは、次にキャリア面に関して見ていきましょう。
「医学部の出身大学は、出世のしやすさに関係があるのか?」
これはどの立場の方からも
「関係がある」
という回答が非常に多かったです。
これを理解するには、まず「医局」というものについて理解する必要があります。
医局とは簡単に言いますと、
各大学病院の診療科ごとに設置されている、医者を派遣する組織です。
例えば、東京大学の皮膚科の医局、東京大学の精神科の医局、京都大学の精神科の医局
といったように、大学の診療科ごとに医局というものがあります。
医局は、その医局に在籍している医者を、
関連病院(医局と関係を持っている病院)に紹介します。
つまり、医者を派遣しているようなものですね。
多くの病院は慢性的な医師不足だそうで、
病院ごとに医者を募集してもなかなか集まらない、あるいは目的としている技術力のある医者などが集まらないため、
各病院は医局と関係を持ち、医者を紹介してもらうというわけです。
医者は医局に在籍することで、
様々な現場での経験を積んだり、人脈を作ったり、情報を交換したりすることができるといったメリットがあります。
また 専門医の資格を取るには、医局に在籍しないと取れないこともあるようです。
医学部卒業後は、医局に在籍するのが一般的だそうです。
そして、この医局というものが、出世に大きく関わってくるようです。
医局は非常に強い組織で、医局の人事権だけでなく、関連病院の人事権も持っています。
医局で教授になれるかどうか、病院で院長になれるかどうかなどは、医局にかかっています。
そして多くの場合、出世できるかどうかは、出身大学によって決まっているようです。
特に明確に出世しやすいのが、旧帝国大学の7大学と、慶応大学だそうです。
例えば、徳島大学の医学部の教授を見ると、ほとんどが京大か阪大などの旧帝大出身者。
地方国立大の出身者が、地方の大学で教授になるべく教授選までたどりついても、
相手が京大出身者だったりするとほぼ確実に負けるそうです。
地方国立大の出身者が、東大などで教授になるのはほぼ不可能であるようですね。
医局の関連病院は、旧帝国大学の7大学と慶応大学が圧倒的に多いそうです。
医局が強いとか弱いという言い方をすることがありますが、関連病院の多さがイコール、医局の強さと言えるそうでね。
有名な病院やブランドの病院など、医者に人気の病院の多くは、旧帝国大学の7大学や慶応大学の関連病院なので、
そういう病院に行きたいと思った場合は、上記の大学の医局に在籍するのが得策と言えるのでしょう。
ただ、逆に関連病院が多すぎるがために、へき地のような場所にも病院を持ち、そこに飛ばされる可能性もあります。
病院で出世したいと思っても、その病院と関連のある大学の出身者でないと、出世できない可能性は高く、
へき地のような場所に飛ばされるのは、他大学出身者である可能性が高くなります。
ただ明確に差を感じるのは、旧帝国大学の7大学と慶応大学で、
それらを覗けば、他はそれほど変わらないという意見が多いようです。
例えば、東京医科歯科大学、千葉大学、神戸大学、大阪公立大学など、偏差値の高い大学は色々ありますが、
それらの都会の国公立大学と、地方の国公立大学、私立の大学に、明確な差はないとのことです。
ただ、金沢大学の医局は関連病院を多く持ち、
金沢大学は地方で偏差値もそれほど高くなく穴場であるという話を、生徒の保護者であるお医者さんの方に聞いたことはあります。
他にもそういう大学はあるかもしれません。
他の学部のように、偏差値が高いほど良いというわけではなく、
その大学の医局の強さというものがキャリアに関わってくる可能性があり、
強い医局をもつ大学が、偏差値の高い大学が多いという話ですね。
というわけで、キャリア面に関してだけ注目すれば、学歴が重要になる可能性はある、と言えそうです。
ただ、医者の働き方というのは様々で、医局に在籍しないと、就職先がない、仕事がないという事はまずありません。
医局は必ず在籍しなければならないものではなく、最初から医局に入らずに仕事をしている人もいれば、
専門医を取ったら退局する人も結構多いようです。
旧帝国大学や慶応大学は、相当の能力を有していないと、努力や根性論だけで合格できる世界ではありません。
キャリアのためだけに、他の大学に入れる力があるにも関わらず、多浪してリスクを負ってまでその大学に入る価値があるかは少々疑問です。
やはり入学できる自信がある人だけが目指すべきではないでしょうか。
旧帝国大学や慶応大学はまだ価値があるかもしれませんが、他の高偏差値の大学に至っては多浪する価値があるかどうかはかなり疑問です。
収入に影響しない、キャリアに影響しないとなると、
受験生として1年多く過ごすのか、医者として1年多く過ごすのか、
最終的に医者になるものとして、逆に前者の方がキャリアなり、医者としての技術を磨く時間なりを捨ててしまっているような気がします。
実家から近いという理由だけで、1年の経験を捨てる価値があるのかどうかですね。
親が開業医で、そこを継ぐ気があるなら、もはや出身大学は全然関係がないと言えるのかもしれません。
以上は私が調べた範囲の話なので、あくまで参考程度に。
今後、お医者さんの親御さんに、個人的に色々意見を聞いていきたいと思います。
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