不入斗とは何なのか 3 | protoplastico surfboards & designs  

protoplastico surfboards & designs  

日曜大工の道具で素人がゼロから始められる、かんたん!木製サーフボード「プロトプラスティコ」 
サーフボードを自分で作ってみよう!!!

今回は地形由来説を考えて見ます。

【いりやまず】を入山瀬、入山津と表記するのは、現代の私達の感覚でも素直に受け入れられる説です。

山瀬、瀬山、山津、津山などは実際に各地にある地名ですからね。

一般に山瀬や山津と呼ばれる土地は、低い山並に海岸線や河川などが入り込んで狭い湾や岬を形成している場所になります。

日本語の意味では【津】は港、【瀬】は浅瀬です。

地勢上、そういった場所は小さな瀬や津が複数連なった複雑な海岸線をとります。

そして、その入口にあたる場所だから入山瀬です。

日本の地名は万事こういった具合に極めてシステマチックにつけられていますので、逆にそこが地名とチグハグな場所であれば、郷土の歴史において、何らかの理由によって地名が置き換えられている可能性があるのです。

早速、見に行ってみましょう。

photo:01



千葉県市原市姉ヶ崎の不入斗です。
なかなか長閑としていて良い場所です。

この付近は馬来田、上海上、菊麻と古墳時代の大都市が続く街道上に位置し、大規模な貝塚や古墳が見られる場所です。

縄文後期は海岸線で、現在水田が広がっている平地部が海面下だとすると、海岸線に標高30m程の小高い山並が連なり、確かに山津、山瀬の条件を備えた場所です。



さて、次の不入斗です。

photo:02



ここは横須賀市の不入斗。
山口百恵が中学時代を過ごした場所だそうです。

photo:03



不入斗公園は旧軍港の跡地を再開発したもののようです。
建物が多く見晴らすことはできませんが車で周辺を走ると、ここがかつて海の底だったことがわかります。

photo:04



坂を登った所で標高は18メートルです。

ここも津が連なっており山瀬、山津の条件を備えています。

そして、大田区の旧不入斗村。

photo:05



これはわかりやすいですね。
縄文後期から古墳時代の地勢を見れば一目瞭然にリアス式の海岸線が広がっています。

今のところ場所が分かっている【不入斗】はすべて古墳時代の海岸線付近にあるようです。掛川市の入山瀬などが典型的な山瀬の地形だといえるでしょう。

photo:07



数本並行に連なった山瀬の入口です。

逆に条件に合わないのは静岡県袋井市の不入斗。

photo:06



遠州灘に面したこの場所は、地図で見る限りは真っ平らです。




iPhoneからの投稿