不入斗とは何なのか 1 | protoplastico surfboards & designs  

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不入斗 これはなんて読むのか分かりますか?


【いりやまず】と読みます。

千葉県の難読地名で、市原市姉ヶ崎に2箇所あります。

なんだな変わった地名だな、と昔から頭の片隅に残っていたんですが、弟橘媛の伝承を巡って東京湾岸をあちこち調べているうちに、海を越えた横須賀市にも同じ地名がある事が分かりました。

photo:01



へぇ~!
市原市以外にも不入斗ってあるんだ。

そう思って調べてみると、不入斗という地名は東京湾岸に点在しており、

千葉県市原市不入斗
千葉県市原市姉ヶ崎不入斗
千葉県富津市不入斗
千葉県富山町不入斗
神奈川県横須賀市不入斗
静岡県袋井市不入斗

その他、【いりやまず】が訛って発音されたと思われる【いりやませ】が
静岡県富士市入山瀬
静岡県掛川市入山瀬
に。

【いりやまづ】が
千葉県長生郡長生村入山津 に。

【ふにゅう】が
千葉県市原市高滝不入 に。

そして、
東京都大田区大森4丁目の辺りはかつて【不入斗村】と呼ばれていました。現在の職場の周辺です。

不入斗の由来は諸説あるのですが、一般的には「年貢を納められないほどに貧しく痩せた土地」と云われており、年貢の米を計る【枡:ます】(斗とも書く)に入らない程に貧しいという意味らしいです。

不入斗は不入計とも書かれ、これも同じ意味。貧しい故に免税地だったとの事。

ふーん?




ちょっと待て。
市原市姉ヶ崎は水田地帯だし、土も肥えてるよ。そりゃないだろ。

上総国市原郡不入斗村は西大平藩の領地です。
江戸町奉行の大岡越前の大岡家と言った方が分かりやすいでしょうか。

大森4丁目の辺りだって貧しいバラック街になったのは終戦後の話で、江戸時代は豊かな耕地が広がっていたといいます。もちろん年貢も納めてます。

photo:02



不入斗の語源にはいくつかの説があり、

入り組んだ山の瀬が連なるリアス式の海岸地形を示す【入山瀬】説。

神社の領地であったために討ち入る事が禁じられていた【不入討】説

同じく神社の領地で年貢が免除されていた【不入升】説

おおもとは【いれよまず:不入読村】と呼ばれていたという説もあります。

なんだか由来自体も不思議ですね。
謎がかえって深まってしまいました。


更に!
もう一つ面白いのはこの不入斗という地名が残る場所の配置です。

photo:03



駿河から上総にかけて海岸線を一直線に結ぶこのルート。どこかで見た事がありますね。

これはなかなか興味深い発見です。



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