義理の両親を駅まで送ってから、友達の家に行く。
「やっぱり離れると、道がわかんなくなっちゃうなぁ」なんて苦笑しながら、駅から友達の家までの道のりを頭の中でルート検索。
ぴ ぴ ぴ
ぴーん!
つながった、よかった。
ぶるるるるーん。出発。
久しぶりに走る道。
お店が変わってたり、道路が広がってたり。
信号が赤になって、減速。
「・・・。」
そこには、母が勤めてた会社があった。
こういう時の対処法は、心得てる。
深呼吸。深く。深く。だいじょうぶ、だいじょうぶ、と言い聞かせる。
代償は、・・・代償ってほど大したもんじゃないけど、こころがちょっと重くなるくらい。気付かないふり。
でもふと思った。
こころに仕舞いこまないで、ちょっと口にしてみたら、どうだろう?
どうだろう?
「ねぇねぇ、右の建物わかる?屋上の看板に、亀の絵がかいてある。ここね、お写真のおばあちゃんが働いてた会社なんだよ」
子供たちは、「へぇ」とか「ふーん」なんて返事だったけど、それだけで、今回は、こころが重くならなかった。
へぇ。たったこれだけでいいんだ。
たったこれだけでいいんだ、って、わかるのに、12年かかったの。
もうすぐ2年。
側にいて、話を聞いてくれる人が、いるといいな。
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