夏休みが終わりました。
当ブログも一週間ぶりです。
夏休みは降ったり止んだりで、
東京では16日間連続で雨を観測したとのことで、
出かけるタイミングを迷ってしまいます。
全体的には涼しい日々となりましたが、
一時的に気温が上がった時の
じめっっっっ、とした湿気は息苦しかったですね。
夏休みの二日目に、
以前より行ってみたかった所へ足を運びました。
向かったのは栃木県野木町。
ですが、目的地の最寄駅は茨城県の古河駅。
古河駅からテクテク畑の中を歩くと見えてくる、
異質な煙突の姿。
曇り空と鳥の影が、少々ホラーな雰囲気を醸し出す。
古河駅から徒歩30分ぐらいでしょうか。
着いたところが・・・
こちら!
国指定重要文化財に指定されている
「旧下野煉化製造会社煉瓦窯」、
通称「野木町煉瓦窯」です。
着いてしばらくしたら晴れてきた。。。
おかげで絵葉書のようなわかりやすい写真が撮れました。
ストックフォトとして使えそうだ。。。
明治20年に設立された下野煉化製造会社が建設した
2基のホフマン式輪窯のうちの現存する1基。
2階建になっており、
1階部分が焼成窯、2階が作業場となっています。
建物は、上から見ると正16角形をしています。
それぞれに入り口があり、
レンガの出し入れをしていました。
全体を16の区画に分けて、
窯詰め・余熱・焼成・冷却・窯出しを
時計回りに順送りに流れ作業できるので、
効率よく大量のレンガを作ることができます。
ドイツ人のホフマンさんが設計したことから
ホフマン窯、と名付けられました。
キレイなヴォールト構造(アーチ状)の入り口。
外観のレンガの積み方は、
イギリス式とフランス式の2種類を組み合わせています。
上記の写真でいうと、左下部分の積み方はフランス式、
そこ以外はほとんどイギリス式になっているようです。
積み方の違い、わかりますか?
1階の中に入るとわかりますが、
16の区画に分けているとは言っても、
小部屋のように区切られているわけではなく
トンネルのようにずっとつながっています。
天井にあるいくつもの四角い穴は、
「投炭孔」と言って、2階の作業場から
燃料である粉炭が投入されて落ちてくる穴です。
右下の小さな横穴は、煙道です。
16の区画のうち、
例えば「一」と「二」の窯で焼成時は
その隣の「三」「四」の窯に熱と煙が移動し
乾燥・予熱が行われます。
「一」「二」の窯で焼成が終わる頃に
「三」「四」の窯に燃料を投入すると
火がそのまま燃え移り、
自動的に「三」「四」の窯の焼成が始まります。
ホフマン窯とは、一度点火すると、
あとは順番に燃料を投下し続ければ、
ずっとレンガ焼成ができる仕組みになっているのです。
焼成し終えたレンガは隙間をあけて積むことで
焼成後のムラが出ないようにします。

建物北側の窯内は、強度補強の鉄骨が組まれていました。
この姿もどことなくカッコイイですね。

窯内のレンガ壁は、常に高温に晒されているので、
変化して粗くざらざらしています。
軽石を撫でているような手触りです。

こちらは再現された「焚き口」。
このホフマン窯に一番最初に火をつけるときは、
このような点火用の窯を作ります。
点火が終わると焚き口は取り壊されます。
4号窯と11号窯で点火が行われていたので、
必ずしも番号順にスタートするわけではないのですね。

南側、8号窯の入り口外壁。
日光と風雪にさらされ、
レンガの角が取れたり、大きく削れたりしています。
このホフマン窯は昭和46年まで使われていたそうなので
停止してまだ50年経っていない。
使われなくなると、物は一気に風化していきますからね。
保存がどんどん大変になっていくのです。
2階の作業場は次回へ。
◎使用カメラは LUMIX GX7 mark2
 LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.





