2016年が暮れようとしています。今年は本当に色々なことがありましたが、全体的には悲しいことの方が多かったような気がします。
中でも私たちファンにとっては、ヴォーンさん死去という最大の試練を経験することになりました。忘れられない年になるでしょうね。ヴォーンさん関連のブログでも管理人の皆さまが哀悼の意を表しておられ、新たなヴォーンファンを知ることもできました。
お互いにこれからもずっとヴォーンファンでいられたら幸いに存じます。
さて、前回は『べネチタ事件』に絞って特集しましたが、追悼企画第2弾の今回は、まるゆう選出のヴォーン映画ベスト20をお届けし、まとめにしたいと思います。
では、カウントダウン形式で発表します!
●ヴォーン映画ベスト20(テレビムービー、ミニシリーズを含む)
20位 『マーメイド作戦』
わずか数秒のヴォーンさんサプライズ出演でファンにはよく知られた作品です。あの登場シーンだけでも見る価値ありますね。内容自体も面白かったです。
19位 『復活の日』
ヴォーンさんが出演した2本の日本映画(ややこしい)のうちの1本です。バークレー上院議員の役でしたね。角川映画らしいオールスターキャストで、外国俳優の中ではやはりヴォーンさんが断然目立っていました。布施明夫人だったオリビア・ハッセーも好演
18位 『ビッグショウ』
ヴォーンさんがソロ以前に出演したサーカス映画。テレビ放映で見ましたが、よく出来た映画です。
17位 『トップ記事殺人事件』
テレビムービーの力作。デビッド・ジャンセンが酔いどれ新聞記者、ヴォーンさんがその新聞社の社長。そしてミッキー・ロークが犯人役という豪華キャストでした。日本ではNHKテレビで放映されただけあって、水準の高い作品ですね。
16位 『アナザーウェイ・D機関情報』
日本映画出演作のもう1本がこちら。ビリングも大トリで、貫禄十分の演技でした。まるゆうとしてはこちらの方が上位の評価です。
15位 『0011ナポレオン・ソロ対シカゴギャング』
ソロシリーズの第5作。評論家の評価はシリーズで一番高く、ストーリーの面白さは随一ですね。ソロさんが劇中で偽装結婚。その相手役のレティティア・ローマンの可愛らしさが印象的でした。
14位 『スターシップ・インベージョン』
こちらは内容は大したことないのですが、バリバリの主演作で、出番が多く好きな映画の一本です。クリストファー・リーとの共演が話題になりました。テレビ放映は『スペース・ウォーズ UFO軍団大襲来』のタイトルで高視聴率を記録しました。
13位 『0011ナポレオン・ソロ2』
原題は『アンクルから来た男 15年後の事件』。シリーズ終了後15年を経て、テレビムービーで復活した作品です。ヴォーンさんは貫禄が増し加わりましたが、マッカラムさんが異常に若々しかったのが印象的です。けっこうロケやスタジオセットもしっかりしていて、そこそこのレベルの佳作に仕上がっています。
12位 『スーパーマンⅢ・電子の要塞』
スーパーマンシリーズの第3作で、ヴォーンさんはロス・ウェブスターというコンピューター企業の社長を演じました。大メジャー、ワーナーの作品だけに大作感もあり、楽しめます。
11位 『宇宙の七人』
例のヴォーンファンがタッグを組んで燃えに燃えた、TUTAYAの「名作レスキュー隊」なるリクエスト企画でDVD化にこぎつけた作品。『荒野の七人』のSF版として知られ、インタビューに答えたヴォーンさんは、「こうなったら、クロサワのオリジナルにも出たかったよな」の名台詞を残しました。B級ですが、その割に安っぽさはなく、健闘したレベルといえます。
別格 『十戒』
ヴォーンさんがデビュー前にエキストラとして出演したといわれる作品です。内容はあまりにも有名ですが、エキストラということで別格扱いとさせていただきます。
さて、いよいよベストテンです。
10位 『べネチタ事件』
ヴォーンさん全盛期の単独主演作。とにかくニヒルでかっこいいです。大MGMの製作ですので、ロケにもお金をかけており、風光明媚なベニスの風景を楽しめます。ヨーロッパテイスト満点の佳作です。
9位 『危険なめぐり逢い』
製作:カルロ・ポンティ、監督:ルネ・クレマン、音楽:フランシス・レイというイタリア、フランスを代表する大御所揃いのスタッフでしたが、あまりヒットしませんでした。しかし、サスペンスとしては凡庸ですが、主人公アン(シドニー・ローム)の悲運を描いた女性映画としてみると、意外な佳作に思えてくる不思議な映画です。ヴォーンさん演じるスチュアート・チェイスの超イケメンぶりが素敵。DVD化してくれませんかねえ。
8位 『大統領暗殺指令』
低予算のB級映画としては唯一のベストテン入り。面白くしようという工夫が随所に見られ、B級としては異例のロケの良さ。まるゆう的には高い評価を付けました。さすがはロジャー・コーマンの製作だけあり、B級映画のお手本のような力作です。
7位 『0011ナポレオン・ソロ/ミニコプター作戦』
シリーズ第6作で、これが一番面白かったです。冒頭のミニコプターからの空中攻撃に車から対抗するソロとイリヤのアクションシーンがスリリング。アメリカのスタジオでの撮影ですが、日本の料亭が出てくるのがご愛嬌。名優クルト・ユルゲンスの貫禄ある佇まいが印象的で、テリー・サバラス、キム・ダービーなどゲストスターも豪華でした。
6位 『ブリット』
『ブリット』が6位は低いと思われるかもしれませんが、この映画、やはりマックイーンさんを見る映画なんですね。もちろんヴォーンさんも素晴らしい演技を披露、イギリスアカデミー賞助演男優賞にノミネートされました。ソロ終了後最初の映画で、若き政治家役を見事に演じ、再出発に成功した記念すべき作品です。雑誌「スクリーン」の人気投票で、マッカラムさんはベスト30から消えてしまいましたが、ヴォーンさんは『ブリット』の大ヒットで1969年度の12位に入っています。内容は文句なし。
5位 『刑事コロンボ/歌声の消えた海』
毎回あざやかな脚本で、数々の名エピソードを送り出した『刑事コロンボ』。その中の一編『歌声の消えた海』も名作です。監督があの『レマゲン鉄橋』で共演し、親友だったベン・ギャザラというのもポイントが高いです。
4位 『権力と陰謀・大統領の密室』
このミニ・シリーズでなんといっても嬉しいのはヴォーンさんのエミー賞・助演男優賞の受賞ですね。とにかく大統領補佐官、フランク・フラハティ役での迫力ある熱演は、受賞にふさわしい鬼気迫るものがありました。DVDボックス化してほしい作品の筆頭です。
3位 『タワーリング・インフェルノ』
スケールの大きさと、キャストの凄さでは断トツの作品。マックイーン、ニューマンの2大スターばかりが目立ちますが、ヴォーンさんもゲーリー・パーカー上院議員役を演じ、正義感溢れる隠れたヒーローを演じ、儲け役でしたね。
2位 『荒野の七人』
注目の2位は超名作『荒野の七人』。エルマー・バーンスタインのテーマ曲が冒頭から全開で、物語に一気に引き込んでくれます。この曲でバーンスタインがアカデミー賞の音楽部門にノミネートされました。ヴォーンさん演じる寡黙なガンマン、リーはオリジナルの黒澤明『七人の侍』には無いキャラクターで、ユニークな存在です。過去のトラウマから抜けられず拳銃を抜けなかったリーが、終盤で意を決して早打ちガンファイトに転じるシーンは惚れ惚れするかっこよさ。この映画の陰のハイライトです。とにかく、音楽、演出、脚本、キャストともすべてが高水準の名作です。
1位 『レマゲン鉄橋』
まるゆう選出の栄えあるヴォーン映画ナンバーワンは『レマゲン鉄橋』。『荒野の七人』とどっちにしようか本当に迷いました。映画史的には『荒野の七人』がトップでしょうが、ヴォーン映画として考えた場合はこちらにもっとも高い評価を付けた次第です。とにかく本物の街を破壊するロケの凄まじさで、まさに命がけの撮影を敢行。パンフレットによれば、ヴォーンさんもかなり危険な目に遭ったようです。その甲斐あって世界中で大ヒットし、戦争映画の名作になりました。エルマー・バーンスタインの主題曲がテレビ番組『いきなり黄金伝説』のBGMとして流れたことで、再評価の機運が高まった珍しい作品でもあります。
●ロバートヴォーンBムービーズ終了のお知らせ
2013年から続いた当ブログも、今回をもちまして終了させていただくことになりました。今後は、まるゆうがヴォーンさん関連の記事を書きました時に、改めてご連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。