第一セット、フェデラーは(準々決勝のモンフィス戦ほど)全力で戦っていないように見えた。
一方のデルポトロは、フォア・バック・サーブとすべていい調子で威力がある。
見ていると、フェデラーの「短いスライス」が通用しない! 逆に威力のあるボールで
逆襲されるケースが多い。第一セットはデルポトロが取る。
第2セット、フェデラーはプレーのレベルを上げてきた。両者ブレイクなしでタイブレイクに入った。ミニブレイク2つして、4-1とリードし、そのままフェデラーが第2セットをとった。
このままフェデラーが調子に乗っていくのか、と見ていたら、第3セットの第1ゲームをフェデラーが落とす。おいおい、大丈夫か? その後の展開を見ていると、フェデラーがいま1つだ。デルポトロはずっと同じようなプレーを続けている。フェデラーが確か3-3
に追いついたが、終盤でブレイクされてこのセットはデルポトロに取られてしまった!
フェデラー、このままでは負けてしまう。フェデラー ピンチ!
第4セット。それは突然訪れてきたように思う。フェデラーの短いスライスをデルポトロがこれまでのように前に出てきて強力なスピンをかけて返そうとした時だ。
かなりのバックアウトしたボールとなる。このショットを境に、デルポトロの動きが鈍くなる。
左右に振られた時、返すボールが以前ほど厳しくない、アウトすることが多くなる。
フェデラーのドロップショットに対しても、動けないことが多くなった。
脚力が弱くなったためだろうか? WOWOW解説者の柳さんは「デルポトロはしっかり構えて打つタイプ」だ、と言っていたが、それゆえに脚に負担が多くかかったのかもしれない。
これまでと違って、フェデラーのスライスや短いスライスを威力のあるボールで返すことが極端に少なくなった。逆に元気が出てきた・調子が良くなってきたように思えるフェデラー。
デルポトロのファーストサーブも入らなくなってきた。
その勢いで、第4セットをあっさり取ってしまった。なんと、フェデラーがこの試合で初めてデルポトロのサーブを破ったのがこの第4セットの第4ゲームだった。
第5セット。第1ゲームはデルポトロのサービスゲームだったが、フェデラーがブレイク。
そして次のゲームもキープして3-1とリードする。このまま行くか?と思われたが、デルポトロが盛り返してきて、ブレイクバックして3-3と追いつく。結構動けるようになったような感じだ。フェデラー、このまま盛り返されて負けてしまうのか?と一瞬頭の中をよぎったが、次の第7ゲームで0-40とブレイクバックのチャンス。しかし、デルポトロはデュースに追いつく。しかし、フェデラーのバックの深いリターンがここで絶妙に入って、デルポトロは急に下がって打とうとしてショットをアウト ネット。そして、次のサーブを何と、ダブルフォルトしてしまった! これで4-3、フェデラーの1ブレイクアップになった!
チェンジ・エンドのあと、フェデラーはサービスをキープして5-3。いよいよ決勝進出のマッチ・ゲームが訪れた。ごめん、いいところなんだけど、このゲームはあまり覚えていない。
1回目のマッチポイントはデルポトロにセーブされたが、2回目のマッチポイントで勝ったのだけは覚えている。途中、フェデラーがバックに打ったボールをデルポトロが返したのが短く甘くなって、それをフェデラーがフォアでクロスに決めたとき、デルポトロは以前ほど追いかける気力も脚力も無くしていたように感じた。
さあ、これで決勝はソダーリン(23)対フェデラー(2)の対決となった。
ソダーリンは決勝では(フェデラーが上がって来ても)全力で戦う、と記者会見で言っていたから壮絶な試合が見られるだろう。速いボールにいまいち弱いフェデラーなので、ソダーリン有利だろう。でも、フェデラーがソダーリン攻略の糸口を見つけ、集中力を切らさず全力で行って、バックがしっかり入れば、フェデラーにも勝機はあると思う。
フェデラーよ、今年で生涯グランドスラムを決めてくれ!