〜 夏休みの活動④ 国士舘高校 〜 | Takumi I

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Takumi Imamura
今村 匠実


「帰国したら、顔出して。」


恩師本田裕一郎先生のメッセージを受け、7月某日、国士舘高校の練習を見学することを決意。


電話で久々にご挨拶をすると、


「お前、随分活躍してるみてぇじゃねぇか!」


と電話口から聞こえる声は、相変わらずエネルギーに溢れ、


「明日の練習、見に行かせてください!」


と、僕は元気よく言い放ち、電話した次の日にグランドに伺うこととなった。


練習を見ながら、本田先生とサッカーの話、スペインやドイツの話、今まで知り得なかった身の上の話をして、随分と盛り上がった。


「うちで指導してけ!」


先生のその一言で、次の日から僕が毎日国士舘高校に通うことになるとは思っても見なかったが…笑



国士舘といえば、正直、超体育会系でゴリゴリのヤンチャな選手達を想像していたが、実際は、至って素直で良い子達が揃い、とても仲の良い集団がそこにあった。


素質のある選手も多くいて、ちょっと何かを掴めば、きっとグッと上まで行く可能性があるだろう。


選手達も僕の練習に一生懸命取り組んでくれて、結局、3日だけの指導の予定が、3週間も、臨時コーチとして携わらせてもらった。


和倉ユースのひとつ下のディビジョンにあたる、金沢ユースという大会にも帯同させてもらった。


毎日の練習と、リーグ戦や練習試合、金澤遠征など、10試合以上も皆と共にできたことを嬉しく思う。


その間に良く成長した選手も、悩んで迷いの出た選手も、みんな今後のサッカー人生の糧になってくれたら幸いだ。


縦に早いサッカーと言われているチームが、よくあそこまで頑張ってポジショナルなプレーができるようになったなぁと思う。


僕の目的は、パスを回るようにすことでも、スペインサッカーをさせることでもなく、


ビルドアップやコントロールオリエンタードを教え込むことでもなく、


大好きなサッカーをもっと楽しく、自発的に考えてプレーできるようになって欲しかっただけで、そのきっかけを作りたかったに過ぎない。


きっと普段は、200人もの部員の中で、名将の目が光る中、競争に必死で、


どうやって試合に出よう…
どうすれば監督に好かれるのだろう… 
選手権にどうしても出たい…


と、それぞれがサッカーを楽しむ以前に、ただがむしゃらに練習に取り組むことになってしまっているのではないかと察した。


高校サッカーという、一発勝負のノックアウト方式の世界では、余裕が生まれず、本来の自分を見失ってしまう選手がたくさんいる。


勝たなきゃダメだが、ただ勝つのではなく、それを超越する"勝ち"と、突き抜けた先にはスポーツの"価値"が存在することをわかってほしかった。


そんな国士舘高校は、先週、東京都予選準決勝を逆転勝ちで制し、明日11月12日土曜日に決勝を行う。


(一ノ瀬くんのスーパーロングシュートが話題になりました。あれは教えてない…笑)



あとひとつ勝って、全国大会に出場できるよう、遠くから祈っている。