核心へ: TCLを調査
1.1. 原理
原理を要約してみよう。TCは、まずストレージデバイス(ハードドライブやUSBドライブなどの外部記憶装置)からRAM(Random Access Memory: データを読み書きできるメモリ)へロード(ストレージからメモリにデータを読み込む作業。電源を落とすと消えてしまうため、ストレージ上にセーブする必要がある)されます。次にストレージデバイスにアプリケーションをマウント(接続し認識させて利用可能な状態にすること)したり、あるいは、ストレージデバイスからRAMへアプリケーションをインストールします。マウントやRAMへのコピーなど、使用方法に関わらず、拡張機能はロードやインストールされます。
TCは、OSをハードドライブにインストールすることを推奨していない点で、他のディストリビューションとは異なります。もちろんハードドライブへのインストールも可能ですが、TCは、起動時に生成されるRAMコーピーから動くよう設計されているのです。この方式は高速であるだけでなく、システムファイルを変更から守り、再起動時に元のシステムをそのままに維持できるという利点もあります。簡単、高速、シンプルな更新機能、安定性、はTCの目標理念なのです。
他に、このような多くのディストリビューションのライブCDがありますが、それらの技術はどれも類似しており、共有もされています。
1.2. フルーガル(倹約な)インストール
フルーガルインストールは、TCの代表的なインストール方法です。すなわち、フルーガルは、伝統的なハードドライブインストールではないのです。ちなみに我々はハードドライブインストールのことを「散乱モード」と呼んでいます。それぞれのシステムファイルがディスクのいろんな場所に「散乱」された状態になりますから。フルーガルでは、基本的に、vmlinuzとcore.gzの2つのファイルにシステムが集約されます。これら2つは、ブートローダー(GRUB2など。コンピュータシステム起動⇒ BIOSやUEFIがシステムを初期化⇒ ブートローダ起動⇒ 複数のOSがHDDやSSDにインストールされている場合、ブートローダから指定してOSを起動)によってインストール先を指定されます。
どのユーザーファイルやエクステンションもベースOS外にインストールされます。
1.3. 起動コード
GRUB, LILO(Linux用のブートローダ。古い), CD, USBなど、どの方法でTCをインストールするかに関わらず、