4. 山部赤人
たごのうらに うちいでてみれば しろたへの
ふじのたかねに ゆきはふりつつ
この歌に詠まれるように、富士山は奈良時代の歌人にとって身近なものであったし、おそらく教養人であれば誰もが知るような山であったはず。
竹取物語に登場するぐらいだから、平安初期には、京の庶民の間でも有名だったということだろうか。
だとしても。
日常生活では、けっして目にすることはなかったはず。
それが、文化の中心が鎌倉や江戸に移った時代には、もっと生活の中にとけ込んだ存在になった。
だから、富士山と一口に言っても、時代によってその距離感って、ぜんぜん違うはずなんだよね。
そのへんにフォーカスした本とか、ないかな?