#5336 負抜・94 | プロパンガス

プロパンガス

いっしょうけんめい働いた人が
せめてビールぐらいは安心して
本物を飲める世の中をつくろう

短歌はわずか三十一文字でものごとを表現するから、その対象をギューッと圧縮したり、あるいは一部だけを切り取ったりする。

 

ことが、多い。

 

でも、「ありまやま」について言えば、内容があるのは「人を忘れやはする」だけで、残りは前分おまけ。

 

おまけったって詩的おまけだから不要とかってわけじゃないけど、でもおまけ。

 

おまけというか、あそび。

 

それで良いと思うんだよね。

 

芸術ってのは、つまるところ、あそび。

 

「文学の力で分断の壁を打破したい」(イシグロさん自身は、そんなアホなこと言ってないけど)なんてのは、勘違いも甚だしい。

 

No.44 藤原朝忠

あふことの たえてしなくは なかなかに

ひとをもみをも うらみざらまし

 

No.58 藤原賢子

ありまやま ゐなのささはら かぜふけば

いでそよひとを わすれやはする

 

No.75 藤原基俊

ちぎりおきし させもがつゆを いのちにて

あはれことしの あきもいぬめり

 

No.99 後鳥羽天皇

ひともをし ひともうらめし あぢきなく

よをおもふゆゑに ものおもふみは