まあ、各方面から賛否両論の挙がった『半沢直樹』だけど、たかがエンターテイメントとしてのテレビドラマ、僕はあーだ、こーだ言うつもりはない。
ただ、社会人人生のほとんどを銀行員として過ごしてきた僕にとっても、ストーリー展開の中での“出向”の位置づけは、かなり新鮮だった。
メガバンクの行員ってのは、それこそ犯罪に近いことやっても、クビにはならず“出向”扱いになるだけなんだな。
僕もメガバンクにいたことあるけど、それは気づかなかった。
すごいよな、どんなヘマやらかそうが悪いことしようが、クビにならないなんて。
片道切符の島流しってことなんだろうけど、普通の企業だったら、放り出されておしまい。
ずっとずっとめぐまれてる。
で、さらに驚くのは、人生の墓場のように“出向”を言い渡されても、みんな素直にその沙汰を受け入れること。
反骨精神の塊のような半沢直樹でさえ、東京セントラル証券への出向という辞令に従った。
そんな気に食わない人事、蹴っ飛ばして転職しちゃえばいいのにさ。
もちろん、雇用情勢厳しい昨今、誰でも彼でもそう簡単に転職先が決まるわけでもないだろうけど、半沢直樹なら引く手数多だろうにね。
こりゃあ、銀行員以外のサラリーマンから嫉まれるのも、しょうがないかな。