つかこうへい追悼シリーズ第16弾
『ストリッパー物語』
他のすべての芸術と同じで、小説も「何を描くか」ではなく「どう描くか」が一番のポイント。
この小説が描いているのは、つかこうへいの演出する舞台そのもの。
つかこうへいの芝居を文字で切り取ると、こうなる。
重さんの長い、長い、長い、ひとり語りのシーン。
明美と美智子がレディ・サンフランシスコを踊るシーン。
まるで目の前に浮かぶように甦る。
女優を脱がせることもなく(セクシーな衣装どころか、ジャージ姿)上演されるこのつかこうへいの代表作。
つか流のリアリズムの真骨頂でもある。
その舞台を文字だけで完璧なまでに写し取ったこの小説、つかこうへいの数ある作品の中でも出色の一遍だと想っている。