「小さな約束を守れない人は、大きな約束も守れない」
昨日の記者会見の中で、浅尾議員が何度も口にしたフレーズです。
「衆議院に必ず出るという地元有権者との約束を守る」という文脈で捉えられているのでしょうが、そこには浅尾議員なりの精一杯の皮肉と批判と不満が含まれています。
いったい、最初に約束、それもけっして小さくはない約束を破ったのは誰なのか。
それを遠回しに言っているのだと想います。
浅尾議員の衆院鞍替えは、昨日今日出てきた話ではありません。
経緯はいろいろありましたが、一昨年の参院選、民主党が神奈川で2議席獲得に成功した時点では、本人、地元、県連、党本部、誰もが当然のことだと考えていました。(なので、現在の参議院の勢力云々という話はこの時点でクリアされていました)
「当然」の背景には、「約束」がちゃんとありました。
誰が、その約束を破ったのか。
その約束を反故にするために、誰が暗躍したのか。
浅尾議員は、みずからそれらに言及することはありません。
浅尾議員近い人たちがそのあたりの事情を説明するべきだという考え方もありますが、本人がグッと堪えているのに、周囲がネガティヴキャンペーンを張るというのも妙な話です。
そんなことを声高に叫んだりはしないけれども、約束を守れない人たち、敵意剥き出しの人たちとは一緒には戦えないというのは、浅尾議員としては当然の決断です。
最後の最後まで約束を守ってくれるよう調整を続けましたが、それに対する返答が「8区ではどうか」というような人を馬鹿にし切ったものでは、譲歩のしようも何もありません。
民主党には、特に民主党の政策には、優れたものがたくさんあることを、誰よりも浅尾議員がいちばんよく知っています。
そしてその政策を実現していくためには、民主党の中にいるよりも、外から引っ張ったほうが案外うまく行くかもしれません。
現に、党の中の反対意見はトップダウンで簡単にかき消されてしまいますが、社民や国新のような党外少数勢力の意見はかなり色濃く反映されています。
ならば、裏切り者に囲まれて党の中にとどまるよりは、党外でフリーハンドを得た上で民主党の政策の実現に努めることのほうがよほど効果的です。
幸い、浅尾議員1人がどういう行動を起こそうとも、政権交代はほぼ確実に実現します。
政権交代のその先を見据えた上で、民主党にとっても、国民全体にとっても、地元にとっても、ついでに浅尾議員本人にとっても、ベストの選択が今回の離党であったと想います。
浅尾議員の決断と行動と将来を、全力で応援させていただきます。