アメリカの大統領選ほどしっかりとモニターしていたわけではないので、サルコジ次期フランス大統領についてそれほど自信たっぷりに語るつもりはない。
だけど、表面的な報道から判断する限りにおいては、僕は彼にはかなりの好印象を抱いている。
相撲や京都についてのコメントも、日本をこき下ろすような意図はなく、単にシラクに対する当てつけなのだから、こちらが目鯨を立てることもない。
そんなことより、あたり前のことをあたり前に守ろうとする彼の首尾一貫した態度には、好感を通り越して敬意すら表したくなる。
フランスの文化と価値観を守ろうとしない移民はフランスにいる必要はない、あたり前のことだ。
国家が民族国家であることをやめた時、国家の唯一の求心力は価値観ということになる。
価値観と言っても、何から何まで、すべての国民がすべての価値観を共有する必要はない。
ってか、そんなこと、不可能だ。
ただ、国家の最低限の共有価値観である『法律』、その国の法律を守ろうという意思、つまり遵法精神を持つことが、国民に求められる必須の資格要件だ。
どうしても守ることのできない悪法があったとしても、その悪法が有効である間は遵守し、その国の手続き法に従ってのみ改廃を求めていくということだ。
この遵法精神という価値観は、自分の生まれる国を自分で選べない以上、生まれながらの国民には共有を強制できない場面もないとは限らないが、よその国の国民であった人がわざわざ好き好んで移民してくるような場合には無条件に受け入れるべきものだ。
今こうして書きながらバカバカしくなるぐらい、あたり前のことだ。
これは、何もフランスだけに限ったことではない。
日本だって移民を受け入れるべきか否かみたいな議論があるが、そんなのアホくさい、日本の法律を遵守してくれる人ならどんどん来てもらえばいいし、最初から違法労働を企んでいるような人には人権もへったくれもない、即刻出ていってもらうなり、ライオンのエサになってもらうなりすればいい。