#1333 電網 | プロパンガス

プロパンガス

いっしょうけんめい働いた人が
せめてビールぐらいは安心して
本物を飲める世の中をつくろう

台湾の地震のニュースを聞いた時には、(亡くなった方もいるそうで、不謹慎ながら)たいしたことないなと安心していた。


地震と聞いて真っ先に脳裡を掠めたのは、2年前のちょうど同じ時期の、あの津波だったからね。


まさか台湾あたりの地震の影響を、自分自身が受けることになろうとは、想像もしなかった。


ロイターのニュースやレートの更新がぱたりと止まってしまったのが、10時45分。 おかしいなと想っていたら、海外の支店やよその銀行から、EBSが落ちたとか、D3が消えたとかいう声が飛び込んできた。


そうこうしているうちに、海外のサーバーに繋いで使っているアプリケーションが次々フリーズし始めた。


その影響か、ヘビーロードになってしまい、PC全体が固まってしまった。


ダメだ。


仕事にならない。


つい数年前まで、こんなシステムなんて補完的なものでしかなく、あれば便利だけど、なければないなりにいくらでもマニュアル対応できたのに。


十数年前なら、こんなシステム、ほとんど存在もしなかったのに。


いつのまにか、システムの支援なしには成り立たない職種になってしまっていた。


多かれ少なかれ、どこの業種でも似たようなものなんじゃないかな。


ちょっと前まではコンピューター化がもたらす脆弱性がよく語られたけど、今はネットワーク化のリスクが顕在化してきている。


しかも、ウィルスとかハッキングへの対策ではなく、インフラそのものの信頼性が問題になってきつつある。


地震で海底ケーブルが切断されてしまうなどということへの備えなんか、まったくできていない。


だけど、衛星回線も含めて、国際通信回線の確保は、現代のビジネスには不可欠なインフラになっており、局地的な地震ごときでは、麻痺してもらっては困るものだ。


テロや戦争でゲリラ的な攻撃をしかけるなら、水や電力線を狙うのもいいかもしれないが、まずは通信回線の切断に力を入れるのが有効だと、あらためて想い知らされた。


脳や心臓や血管ではなく、神経系をズタズタにしてしまえば、手も足も動かない。


目も見えないし、耳も聞こえない。


どうやってでも、トドメを刺せる。


こわっ。