イラクの暫定政権に主権が移譲された、らしい。
英米西連合軍とイラクとの戦争が、どのような手続を経て終結したのか、どのような終戦条約でイラクの降伏が確定したのか、そんなことは誰も問わないらしい。
サダム・フセイン氏が、いつ、どのような手続で、イラクの大統領でなくなったのか、氏の逮捕・拘束を正当化する法基準はどこにあるのか、そんなことは皆忘れてしまっているらしい。
イラクという枠組はイギリスの旧オスマン・トルコ領支配のための人為的なものに過ぎず、本来ならモスル県・バグダッド県・バスラ県の3つの地域に再分割するという選択肢も考慮しなければならないという常識は、そんなことには誰も触れようとしない。
イラクの主権が連合軍から傀儡政権に移譲されることに、それほどの意味があるとは到底考えられない。