#14 基礎的条件 | プロパンガス

プロパンガス

いっしょうけんめい働いた人が
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「為替はファンダメンタルズを反映すべき」という表現は、よく好んで用いられる。


が、ここでいうファンダメンタルズとは具体的にどういう経済指標のことなのかという説明は、あまり聞いたことがない。


為替レートは、市場で決まる。


あるいは、需要と供給のバランスで決まる。


だから、為替が反映しうるファンダメンタルズとは、金額の小さいものを除けば、①貿易収支(サービスを含む)、②投資収支、③および投資から生じる配当収支、そして④投機資金の収支などということになる。


このうち日本では、①と③がそれぞれ毎月数千億円ずつの黒字なので、②と④が黒字ならもちろん円高、小幅の赤字ならやはり円高、①と③の合計に匹敵するほどの赤字なら中立、非常に大幅な赤字なら円安ということになる。


「為替はファンダメンタルズを反映すべき」という言葉が、経済成長率格差や失業率格差などだけを指しているなら、それは大間違いだ。


それらは間接的には②や④に影響を与えるかもしれないが、巨大な①と③のほうが、ずっと重要な指標なのだ※。たとえば経済成長率がアメリカのほうが日本より高いか低いかなどではなく、①と③を補って余りあるほどにアメリカが圧勝しているかどうかという視点で見る必要がある。


為替を決定づける最大のファンダメンタルズ、言うまでもないことだが、それは貿易収支だ。

※アメリカの景気が好調で日本が不況なら、それは円安要因でもあるかもしれないが、輸出ドライブがかかることなどにより円高要因にもなりうることは歴史が証明している。