私は長崎の五島、久賀島の出身です。
山の中の一軒家、早朝に起きて1時間ほど船着場まで歩いて、幼稚園に船で通っていました。


小学生にあがる頃には、長崎本土に移ったので、ほとんど五島の記憶はありません。
生家は祖父の手作りで、そこにずっと住んでいたのは祖父母だけです。
さらに30年以上前の時点で、祖父母も本土に移ったので、生家はそのまま放置された状態でした。
「もう一度生家を見たい!」
その思いは、ずっとありました。
2005年に挑戦した時は、山中の一軒家への道がそもそも見つけられず、断念しました。
2019年に挑戦した時は、荒地となった山中をさ迷い、途中まで行ったんですが、結局時間切れで見つけきれませんでした。
ドローンと雑草対策なども行ったうえで、再度2021年の今回、挑戦してきました。
ドローンではやはり見つけきれず、2時間ほど彷徨い瓦が地面に散乱している場所を発見。
「もしやここか?」
と周りを調べているうちに、墓を発見しましたが、、、岩瀬家でした。
(別の家です)

ここから、さらに上に30分ほど登った所に生家があった記憶があるので、さらに彷徨った結果、、、
大量の竹が地面を押しつぶして道を塞いでいる場所を発見。
よく見ると、その竹の下に瓦らしきものを見つけました。竹を掻き分けて奥まで進むと、、、ここが生家でした。






気づかずに一度は通り過ぎてしまっていました。
2018年に来た際に、「数年前に山の整備で山中を歩いた際に、家が残っていたのを見つけ、誰の家かなと思っていた」
という話を聞いた時には、”まだ形が残っているかもしれない”という淡い期待はありましたが、、、
残念ながら自然の脅威には勝てなかったようです。。
ほとんどの物は壊れていましたが、食器などが残っていたので数点持ち帰る事にしました。
家族がもういない私にとって、故郷の存在は支えでしたが、こうして故郷も全てなくなってしまいました。
しかし、、、何もわからないままでいるよりも、
結果的には30年程のわだかまりが解消して、なんとかたどり着けてよかったと思います。
さよなら、愛しの故郷
場所
