セリフの録音から「Blender」での動画合成まで | 3DCGアニメ「ピーニャン」・「Promised 君の空へ」制作中

台詞を録音して、動画に合成するまでの一連の手順を書いていきます。

 

今回の子供向けのアニメでは、私と娘の2人で声を担当しているのですが、娘は離れた場所で暮らしているので、作業手順が異なります。

 

【私の場合の録音】

 

複数のキャラクターを担当しているため、変声器(VT-4)を使っています。↓

ヘッドセットマイクを差し込み、パソコンと繋げています。

 

左の赤のビッチ・フェーダーは声を高くしたり、低くしたりするためのものです。

 

隣の黄色のフォルマント・フェーダーは上に持ち上げると女性の声に近づき、下に下げると男性の声に近づきます。

 

この数値を設定する事でキャラクターの声の変化をつけています。

 

 

変声器を使わずにフリーソフトの「恋声」などを使うという方法もあります。↓

↑ピッチとフォルマントの調整が出来るようになっています。

 

どちらを使うかは、好みの問題でしょうか・・・。

 

【娘の場合の録音】

 

娘はスマホ派なので、全ての作業をスマホで出来るようにしています。

 

スマホのマイクは全指向性のため、ノイズを拾いやすくなるので、スマホ用の単一指向性のガンマイク(GD-MICTYPC)を取り付けて録音しています。

 

LINEには録音機能があるので、録音して送るだけです。↓

 

【録音・音声編集ソフト】

録音・音声編集ソフトはフリーソフトの「Audacity」を使っています。

 

ただ、LINEで録音した音声ファイルは「m4a(AAC)」形式になっています。

Audacity のデフォルトでは読み込めないので、「FFmpeg」を別途導入する必要があります。(フリー)

 

【ノイズの除去】

 

録音した音源は、必ずといって良いほど雑音が入っているので、ノイズの除去作業が必要になります。

 

(Audacity での手順)

まずは録音したものを読み込みました。↓

 

①ノーマライズ

録音した音が小さいと、ノイズの確認がしにくくなるので、まずは「ctrl」+「A」で全選択後、「エフェクト」→「音量と圧縮」→「ノーマライズ」→「適用」をクリックすると音が増幅されました。↓

 

ノイズも増幅されるので、聞き取りやすくなりました。

現在、「ザー」という音と、「ブーン」という音が入っています。

 

ノイズというのは、声の部分にも掛かっています。

 

声以外の部分の音を無音化しただけでは、声に掛かっているノイズはそのままになってしまいます。

 

この、声に掛かっているノイズを除去するために、ノイズだけの音を使って、ノイズを減算する事で全てのノイズが除去できます。

 

手順です。↓

 

ノイズの入っている部分を選択しました。↓

 

この状態で、「エフェクト」→「ノイズ除去と修復」→「ノイズを低減」をクリックして、設定画面内で「ノイズプロファイルを取得」をクリックします。↓

 

一旦、画面が閉じるので、「ctrl」+「A」で全選択後、再度、ノイズの低減ウィンドウを表示させ、今度は「OK」を押すと、全てのノイズが低減されます。↓

ノイズがひどくて、1回の処理で終わらない場合は、同じ処理を繰り返す事でノイズが小さくなっていきます。

 

声に掛かっているノイズが気にならない程度まで下がったら、それで終わりにして、後は音以外の部分を無音化します。↓

 

録音した時点で、声に掛かっているノイズが気にならないレベルならば、ノイズの低減処理は省いて、無音化だけを行っています。

 

【Blender での合成】

 

ビデオエディタを開き、動画を読み込み、適当な位置に音声ファイルを読み込み、レンダリングして合成は終了しました。↓