「暗闇でも走る」出版記念トークライブ(講談社) | つよく、やさしく、しなやかに ~マリンは今日もタネをまく☆~

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「しあわせは いつもじぶんの こころがきめる」
という言葉のように、
いいことも、そうでないことも真摯に受け止め人生に活かしていきたいです。

6月24日、キズキ共育塾代表 安田祐輔さんの出版記念トークライブに行ってきました。

 

【キズキ共育塾創設者 安田祐輔が語る“暗闇”から抜け出すヒント―「もう一度学び直したい」あなたへのメッセージ―】

 

安田さんの著書『暗闇でも走る』を読み、共感した事がきっかけです。

 

トークライブの感想はたくさんありますが、ひとつは「キズキ共育塾とは、その名の通り共に育つ塾(場所)だった」ということです。

 

理想論だけで不登校・中退・ひきこもり経験者のサポートをしているわけではなく、

安田さん御自身が発達障害を持ち、家庭環境にも恵まれず、ひきこもりやうつも経験。

 

そして、講師の方々も半数くらいは不登校等の経験があるとのこと。

 

サポートする立場であると同時に、当事者の気持ちに寄り添えるというのがキズキ共育塾最大の強味だったのです。

 

 

《 高校中退・ひきこもりに限らず、どん底の状態にある人々は、そもそも「頑張る」気力が失われていることが多い。

 

「頑張ればなんとかなる」と多くの人は言うかもしれないが、そもそも困難な状況にある人々は「頑張れない」ことに悩んでいるのだ。》

 

暗闇でも走るより抜粋~

 

 

安田さんには子どもの頃からの辛い体験と現在に至るまでの「物語」があり、講師の方々にも、紆余曲折を経てキズキにたどり着いた「物語」がある。

 

夢がない、目的がない、今生きている意味がわからないという若者に対しても、そういう物語があればいつかきっと、それまでの経験があったからこそ今があると思える時が来る、そんな風に語りかけているそうです。

 

親など周囲の人々に対しても、過度なプレッシャーを与えない、期待をし過ぎない等、当事者目線でのアドバイスもありました。

まさに、本人も周りも共に育つのだなぁと、改めて感じることができました。

 

 

ちなみに些細なことかもしれませんが、このトークライブで私がいいなと思ったエピソードをご紹介したいと思います。

 

講演が始まるまでの流れというのは、まず主催者側のスタッフが会場整理や案内をし、準備万端、開始時間になったところでお待ちかね講師の登場!…というのが一般的だと思っていたんです。

 

ところが安田さんは、参加者が来る前に既に会場入りしていました。

二番目に部屋に入った私も「えっ!もう来てる!」と素直にびっくり(笑)

 

開始時刻までまだ暫くあるというのに、出迎えてくれた上、一度も退席することなくその場にいて準備などをされていました。

 

トークライブが始まる際、同席されていたキズキ講師の方の自己紹介では、過去に不登校やひきこもりを経験していながら今こうして人前でお話できているというその姿を、温かい眼差しで見守っていたのも印象的でした。

 

 

僕だけが特別じゃない、共に育っていくんだという声が聞こえてくるようでした。

 

 

そして、具体的なお話で私がものすごく共感したのが、キズキの目標です。

 

まず、決まった時間、決まった場所に通うこと。

遅刻をしない(遅刻を減らす)。そこから勉強。

 

3歩進んだら2歩下がる。半年後、1年後になって前よりマシになっていればOK。

 

 「こうあるべき」という先入観があると、なかなかそう思えない。思えたとしてもかなり時間がかかるのは私も経験済みです。

 

キズキの目標はいい大学に合格することではなく、受験を通して、本人が自立して幸せに生きていけるようにサポートすること。

発達障害があれば、その特性に合わせたサポートをしていくことだとおっしゃっていました。

 

「授業料が払えないから」と学び直すことを断念する若者もいることから、キズキ奨学金制度を発足。着実に成果を出しているとのこと。

 

 

 

《 人は「他者と比べる」ことで、不幸を認識するのかもしれない。~中略~

「人間はどんなに貧しくても、『お金や暮らし向き』によってではなく、『尊厳』のようなものによって生きている」 バングラデシュで過ごすにつれ、僕はそう考えるようになった。》

 

著書より抜粋

 

 

自分を苦しめた人達にも自分以上に苦しい状況があったことを知り、更には世界最貧困の地に何度も足を運び、世界を視野に入れた上で、 「世の中で圧倒的な困難・苦しみを抱えた人が幸せに生きられるような社会をつくりたい」と思うようになったそうです。

 

 

最初から夢なんてなくても大丈夫。やりたい事がなくても大丈夫。
「暗闇でも走る」のも悪くないと、安田さん始めキヅキの皆さんが御自身の体験をもって教えてくれています。
 
~何度でもやり直せる社会を創る~
 
今の時代にとても必要な場所だと思いました。
 
 
 
 
 
最近ネットや雑誌で、キズキ共育塾や安田さんのインタビュー記事が取り上げられていますが、近い将来必ずテレビ番組でも特集を組まれると思います(ガイアの夜明けとか?w)
期待して待っています!
 
 
皆さんの物語が、それを必要としているより多くの人々に届きますように。

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
当ブログの拙い過去記事です…あせ